「福祉用具、利用者の生活見て選んで」-専門相談員協会シンポ

2月24日19時9分配信 医療介護CBニュース

 全国福祉用具専門相談員協会は2月21日、愛称(「ふくせん」)とシンボルマークの決定を記念する式典を開いた。この中で、これからの福祉用具と福祉用具専門相談員の在り方について話し合った。

 同協会は、福祉用具の選定についての相談に乗り、身体状況に合わせて福祉用具を調整する「適合」などを行う福祉用具専門相談員の職能団体で、2007年7月に発足。昨年7月から愛称とシンボルマークを公募し、10月に決定した。
 来賓としてあいさつした厚生労働省老健局の土生栄二振興課長は、「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」を近く再開すると説明。「来年度の介護報酬改定で福祉用具5品目が追加されるが、階段のリフトは、講習をしなければ危険という指摘があり、安全性をどう確保するかを検討していく」と述べた。

 後半は、ケアマネジャーや行政担当者、福祉機器の研究者らが、福祉用具専門相談員に期待することをテーマに、トークセッションを行った。
 小島操氏(石神井訪問看護ステーション主任介護支援専門員)は、ケアマネジャーの立場から専門相談員に対し、「ケアプランを読んでほしい」「専門相談員としての計画を考えてほしい」「家族だけでなく、利用者とも話してほしい」「操作説明は繰り返して」「用具だけ見ず、利用者がそれを使って幸せになったか考えてほしい」の5点を提案した。
 市川洌氏(福祉技術研究所代表)は、特養施設で介護職員に福祉用具の適合を教えていることを紹介し、「介護職員は利用者の生活を全般的に見ている。それが福祉用具には大切」と述べた。また、専門相談員の豊富な商品知識を生かしながら、「用具の宅配に終わることなく、利用者の生活の状況を見ながら用具を選び、フィットさせてほしい」とした。
 鈴木宏明氏(静岡市介護保険課長)は、12年の介護報酬改定は大きく変わると予測。「福祉用具への給付がどれだけ考慮されるかは、ここ1、2年が勝負になるのではないか。行政の窓口を訪ねて、福祉用具でこんなことができますと提案してみては」と述べた。
 コーディネーターの白澤政和氏(大阪市立大大学院教授)は、「今までの介護予防サービスが、生活を補うだけでなく、能力や意欲を引き出すものに変わってくるのではないか」と語った。
 助川未枝保氏(特養ホームじょうもんの郷施設長)は、福祉用具は生活の場面で欠かせないとし、「施設でも福祉用具のレンタルができればと思う。利用者の状況が変わるごとに買うのは無理なので、その利用者に合わせた用具がレンタルで調達できればありがたい」と述べた。
 高砂裕子氏(神奈川県介護支援専門員協会理事長)は、介護報酬が3%アップしても、利用者の限度額は変わらないため、限度額内で抑える工夫も必要になると説明し、「専門相談員は、ベッドなどの機能が活用され、利用者の機能が保たれているのかなど、利用者の状態について具体的に伝えてほしい」と要望した。

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