老朽化で施設改築 出所者支援の徳島自立会、来春完成

刑務所や少年院を出所、退院した人の自立を支援する徳島市北沖洲2の更生保護法人徳島自立会(奥本友幸理事長)の施設が、老朽化のため改築される。新施設は来年3月に完成、5月から受け入れを再開する。

 更生保護施設は出所者らのうち、身元引受人がおらず、すぐには自立できない人を受け入れる施設。入所期間は最大6カ月で、その間に職を探したり、資金をためたりして社会復帰に備える。

 新施設は鉄骨2階建て約716平方メートル。玄関はスロープにして、階段に手すりを設けるなど高齢者や障害者にも配慮した設計となっている。居室は18室で、1室当たりの面積は約9平方メートルとこれまでより2平方メートル広くなる。定員も2人増やし18人とした。

 地域の防災拠点となるよう防災用具の収納庫も設置している。施設横に設ける集会所は、地域の人にも開放する。

 総工費は約2億円。県などの補助のほか、県保護司会連合会(河崎寛会長)所属の保護司が資金を出し合い、932万円を寄付した。

 自立会はこれまでに約3千人を受け入れ、社会復帰を見守り続けてきた。9年間、入所者の世話をしてきた寮母・南瀬春美さん(60)は「施設を出た子が定職に就き、ふらりと遊びに来てくれたときが一番うれしい」とやりがいを語る。新施設でも家庭的な雰囲気を出して、笑顔が絶えないようにしたいという。

 現在の施設は1964年に建設され、老朽化が進んでいた。改築に伴い4月から、同会は新たな入所者の受け入れを停止している。

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