世界女王ネスビットも美帆にビックリ!「イカしてるぅ、ヤバすぎよっ」…Sスケート

【カルガリー(カナダ)30日】スピードスケート日本の史上最年少五輪代表・高木美帆(15)=北海道・札内中3年=が、当地の男女混合記録会に2種目で出場した。疲労がピークで五輪出場種目の1000メートルでは、自己ベストに約2秒及ばぬ1分19秒19と低調だったが、今季無敵の世界女王クリスティン・ネスビット(24)=カナダ=から熱視線を送られる存在感を見せつけた。男子500メートルでは及川佑(29)=びっくりドンキー=が34秒59でトップだった。

 高木が、女子1000メートルの最有力金メダル候補をうならせ、のけぞらせた。「せまい業界ですもの。日本の中距離選手に若い、いい子がいるとは耳にしてた」と、切り出したネスビットだが、年齢を聞くと大きな目がグルリと回った。「ええ~っ!? ミホって、15歳なわけ!? それでオリンピックに出るなんて、びっくりよ」とのけぞった。

 1000メートルに強いネスビットは五輪本番リンクで開催された昨季の世界距離別選手権で優勝し、今季W杯前半戦は4連勝中と無敵の世界女王だ。選手層の厚いカナダで五輪代表になるだけでも大変なだけに15歳代表には驚嘆。高木を「ザッツ・クール!(イカしてるぅ)。それってクレージー(ヤバすぎっ)よっ!?」とうなるように、最高の褒め言葉を贈った。

各国の一線級が不在で、参加者も少なく男女混合で行われた記録会は、名ばかりの実戦練習場となった。高木は、五輪には出ない500メートルで39秒81。ネスビットが途中棄権した1000メートルでは1分19秒19で、期待された“高速リンク”での記録は低調に終わったが、桜井コーチは「疲労が最高潮の中ではいいと思う。残り2周の展開も滑りも悪くなかったし、現時点ではタイムよりもこういう経験をすることの方が大事」と、合格点を与えた。

 五輪前哨戦は、8日からの本番リンクでの記録会だ。ほんのちょっぴりだけ、かいま見えた世界に、高木は「みんなやっぱ、スゲぇなぁ~」とワクワク顔。世界女王の熱視線には「エヘヘ」と、赤いほっぺを、さらに赤くして喜んだ。合宿にも慣れて「意外とリラックスしてる。もうちっと精神的にまいったりするかなぁとは思ったけど全然」。一歩ずつ確実に大人の階段を上る。

 ◆クリスティン・ネスビット 1985年5月17日、カナダ生まれ。24歳。バンクーバー五輪では女子1000メートル、1500メートル、チーム・パシュートに出場。1000メートルは今季W杯4連勝中で、昨年12月のソルトレークシティー大会では世界記録に0秒25迫る1分13秒36をマーク。五輪初出場は06年トリノで、1000メートル14位、1500メートル7位。昨季から急成長したカナダの中距離新エースで、1000メートルでメダルを狙う小平奈緒(相沢病院)の最大のライバル。

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