消防訓練、地域と連携…札幌市、グループホームで

先月起きた札幌市北区のグループホーム「みらいとんでん」で7人が死亡した火災を受けて、札幌市消防局は19日、同市内のグループホームで、地域住民も参加した消防訓練を開始した。春の火災予防運動(20~30日)に合わせて月末まで、約30か所で訓練を行う。

 このうち、同区屯田6の10のグループホーム「第2ふるさと」(入居者18人)では、職員2人体制となる夜間に、1階居間のコンセントから出火した火災を想定して訓練を実施。

 職員が「火事だ」と叫びながら火災通報装置のボタンを押し、消火器を使って初期消火を試みる一方、入居者の避難誘導にあたった。近所の住民も非常ベルの音に気付いたとの想定で、実際の住民5人が駆けつけ、入居者の避難に協力。1階の玄関と2階の非常階段から入居者を抱えたり、布に乗せて引きずったりして運び出し、7分で避難を完了した。その2分後に消防車が到着、安全を確認した。

 同ホームの白勢洋子代表(58)は「近所の方々の協力はとても助かる。今後も訓練を繰り返したい」と話した。訓練に参加した近くに住む無職、伊藤一法さん(63)は「自力で歩けない人が多く、手助けがないと大変。緊急時には協力したい」と感想を語った。

 札幌北消防署予防課の宮本伸之課長は「近所の助けは重要。普段から周辺に施設についての情報を提供し、交流を持つことが必要だ」と強調した。

(2010年4月20日 読売新聞)

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