神楽坂同様に「石畳」の街に-四谷・荒木町で募金者プレート設置 /東京

8月3日16時16分配信 みんなの経済新聞ネットワーク

 四谷・荒木町の人気店「とんかつ鈴新」(新宿区荒木町、TEL 03-3341-0768)の外壁に、「荒木町・石だたみの会」で集まった募金総額と募金者の名前が入ったプレートが設置されている。(市ケ谷経済新聞)

 2年ほど前に同店の店主・鈴木洋一さんをはじめとする街の有志らが結成した「荒木町・石だたみの会」。街を活性化させ四谷の名所を作る目的で「荒木町を石畳の街にする」活動を進めており、私道を石畳にするための工事資金の一部を募っている。

 募金は1口2,000円から受け付けており、当面の目標を500万円に設定。資金作りの一環として売り上げの一部が石畳募金になる「石だたみせんべい」(現在販売休止中)の考案やイベント会場でのPRなどこれまでにもさまざまなアイデアで工事資金を募ってきた。

 「このご時世だからなかなか(募金を集めるのは)難しいが、プレートを見て募金してくれた方もいる」と鈴木さん。「本当は募金してくれた方の名前を石畳に入れたいが、まずは壁面を埋めないと。神楽坂に負けていられないからね(笑)」と話す。

 現在までの募金総額は約32万円。個人だけではなく周辺飲食店からの募金も徐々に増えてきている。

 荒木町は神楽坂と同様に花街だった歴史を持ち、坂と階段、細い路地が入り組むなど、似たような風情ある街並みが特徴。「(荒木町は)神楽坂を小さくした感じ」などと評されることもある。

取材ノート09:指宿・砂浜再生を目指す 越波被害防ぎ、観光資源にも /鹿児島

8月2日16時1分配信 毎日新聞

 ◇課題は巨額の事業費120億円 機運盛り上がりに期待
 失われた砂浜を取り戻そう--。指宿市で、そんな構想が持ち上がっている。再生した砂浜を観光資源にし、防波堤を越えて打ち寄せる越波被害も防ぐ「一石二鳥」を狙うのだ。しかし、総事業費は約120億円にも。市は、国と県による国直轄事業を目指し、機運の盛り上げに懸命だ。【村尾哲】
 「部屋のガラスが全部割れてしまった」「家が水浸しになる」
 4月、「指宿港海岸保全推進協議会」の初会合。商工会議所などが開いた。海岸沿いの住民が越波や、軽石の被害を訴えた。
 砂浜再生が求められているのは、指宿港(同市湊4)周辺約1・6キロの海岸線だ。大規模被害をもたらした51年の「ルース台風」を受け、コンクリートの防波堤や消波ブロックで護岸されたが、老朽化。約30年前から砂浜の浸食も進み、越波が海岸線の民家を襲う。
 住民らは「昔は浜競馬が開かれるほど豊かな砂浜だった。一刻も早く整備してほしい」と訴える。
 夢ではない。全国的にも砂浜再生が進んでいる。
 先進事例の香川県・津田港海岸は97年、整備。砂浜、階段状堤防、防砂林などを組み合わせた「面的防護」で越波を防ぎ、自然石を多用するなど景観にも配慮した。
 砂浜再生に追い風となったのは99年の海岸法改正。「防護」だけだった海岸事業に正式に「環境」と「利用」の観点が加わった。
 指宿市の海岸線には、砂蒸し温泉や知林ケ島など観光名所が点在する。篤姫ゆかりの今和泉小学校周辺は07年、砂浜が再生された。指宿港周辺にも再生されれば、新たな観光資源になると地元の期待は大きい。
 課題は約120億円とされる事業費の確保だ。
 市によると、国直轄事業の場合、国が80億、県が40億の負担だが、県は財政難に苦しむ。市の担当者は「市民全体の持続的な盛り上がりが必要」と指摘する。
 市は5月、「砂浜の復活を目指して!」と題したシンポジウムを開催。副国交相や国、県の担当者らを招いた。秋には県による護岸状況の調査も行われる予定だ。
 田原迫要市長は「知林ケ島を中心にビーチが広がれば世界に誇れる。なんとか事業化させたい」と意気込んでいる。

<日航ジャンボ機事故>御巣鷹尾根への登山道 改修工事完成

7月31日18時25分配信 毎日新聞

 520人が犠牲になった85年の日航ジャンボ機墜落事故で、慰霊の日(8月12日)を前に、墜落現場の群馬県上野村・御巣鷹の尾根に通じる登山道の改修工事が終わり、竣工(しゅんこう)式が31日あった。高齢化が進む遺族のため、慰霊登山の負担軽減と安全性の向上を図った。

 登山口から墜落現場に建つ「昇魂之碑」までは長さ約800メートル、高低差約180メートル。村が県と財団法人慰霊の園の支援を受け、4月末から整備していた。傾斜がきつい場所に階段830段(幅1.2メートル)を設け、鉄パイプ製の手すりも438メートルにわたって付けた。落石防止ネットも2カ所に整備している。工事費は約2000万円。

 同村楢原の登山道入り口で開かれた竣工式には関係者14人が出席。神田強平村長は「事故から24年を迎え、遺族も慰霊登山が難しくなっている。今回の整備は、みなさんに喜んでもらえるものと確信している」とあいさつし、昇魂之碑まで登って献花した。【畑広志】