10月8日22時17分配信 ISM
8日、都内・明治神宮外苑の聖徳記念絵画館前の特設カートコースで、「Red Bull 外苑グランプリ」が開催された。雨模様にもかかわらず、レッドブル、トーロ・ロッソ両チームのドライバーがカートレースなどでファンとの交流を楽しんだ。
前日から降り続いた雨が止み、曇り空のもと、絵画館前の階段や特設コースの周囲を埋め尽くすほどのファンが集まった。中には、岐阜、岡山、栃木、さらには北海道からこのイベントに駆けつけた人もいた。
ファンの期待が高まる中、トーロ・ロッソのセバスチャン・ブルデー、セバスチャン・ベッテル、レッドブルのデビッド・クルサードはそれぞれフォーミュラ・ウナの女性をエスコートしながら登場。トーロ・ロッソドライバーの2名がそれぞれフォーミュラ・ウナの女性と2人乗りカートでパレード走行するが、S.ブルデーのカートにトラブルが発生、苦笑いでマシンを降りてしまう場面もあった。
今季をもって15年間のF1キャリアを終えるD.クルサードへの声援が引っ切りなしに飛び、D.クルサードは1991年の初来日のころ、自身のことを誰も知らなかったエピソードを織り交ぜながら、「レッドブルが東京でこういったイベントを開催してくれて、みなさんに会えてうれしく思う。何年も日本のファンが応援してくれて感謝している。15シーズンもレースしてこれたのはみなさんのおかげです。アリガトウ」と挨拶した。
今回カートレースの挑戦を受けて立つ身として、S.ブルデーが「本腰は今週末のレースに入れたい。今日は楽しみたいと思います」と語ると、日本語の挨拶を立て続けに披露しファンから拍手を浴びたS.ベッテルも、「もうひとりのセバスチャンと同じ意見です。このレースよりも今週末のレースに賭けたいと思います。みなさん頑張ってくださいね、今日は絶対に勝ちますので」と早くも勝利宣言が飛び出した。
降り出した雨が強まるなか、トーロ・ロッソドライバーへの挑戦者を決めるレースが行なわれ、一般参加者96名から決勝進出者8名を選出。メディア関係者30名からは6名が決勝への出場資格を手にした。さらに、決勝にはレッドブルエアレースの参戦を目指すパイロットの室屋義秀、MotoGPライダーの青山博一と小山知良、サイクルメッセンジャー・ワールドチャンピオンシップで総合優勝したSINO、格闘家の山本KIDら7名のゲストも参加することとなり、ゲストによるミニレースが会場を盛り上げる。
決勝にはS.ベッテルひとりが参戦することになったが、「1周が短いから、たった7周だと最後尾スタートでは勝てない」とクレーム。さらに、レース解説の川井一仁氏に「周回数を倍にして!」と泣きのお願いを入れるも叶わず。まずはゲストとメディア関係者を相手にした決勝が行なわれ、S.ベッテルは1周目に3番手まで浮上するF1ドライバーならではのテクニックを見せるが、MotoGPライダーの青山との2番手争いの末、まさかのスピン! 優勝を逃す。敗れたS.ベッテルは、一般参加者との決勝に際し、再度のお願いでポールスタートをもぎとり、笑顔で「アリガトウ。僕は何周レースでも構わないよ」と自信満々に語る。そして視界の開けた状態でスタートし、危なげなくポール・トゥ・ウィンを決めた。
イベント後、トーロ・ロッソの両ドライバーは週末の日本GPへ向けてコメント。S.ベッテルが「かなりのウェットコンディションのレースは残念だったけど、久々のカートだったので楽しかった。日曜に向けていい準備になった」とイベントを振り返ると、S.ブルデーは「多くの人に会えて楽しかった。テレビを見る限り日本のファンは熱狂的だと思っていたけど、今日はそれを実感した」と満足そうに語り、2人ともに「富士でのレースを楽しみにしている。入賞に向け頑張ります」とあらためて意気込みを語った。
なお、聖徳記念絵画館ではD.クルサードの写真展も併催され、ファンが観賞しているところへD.クルサードがテレビ撮影のため登場し、写真撮影やサインに快く応じていた。