荒川の2人死亡火災、煙やガスが階段吹き抜ける?

東京都荒川区の毛糸店の店舗兼住宅が焼けて女性2人が死亡、女性2人が重体になった火事で、4人のうち3人が2階階段横の居間付近で倒れていたことがわかった。

 火元のストーブは1階階段脇の和室付近にあり、警視庁荒川署は、階段が煙突のような役割となり、煙や有毒ガスが短時間で上階に達したとみている。

 同署幹部によると、亡くなったのは、経営者の岩下順英さん(81)の妻美恵子さん(76)と岩下さんの孫で同区立峡田小5年登美(なるみ)さん(11)。美恵子さんは1階で亡くなったが、登美さんは階段を上がってすぐの2階居間で倒れていた。同じ場所には岩下さんの長男善亮さん(44)の妻、公江さん(43)と公江さんの次女で同区立中3年の勝美さん(15)も倒れており、重体となった。岩下さんは同署に「ストーブに灯油をつぎ足そうとしたら漏れた。油をふき取って火をつけたら、ストーブ全体が燃え上がった」と説明していた。

(2009年12月25日15時31分 読売新聞)

水先案内 異常なし/佐伯沖の水ノ子島灯台

 佐伯市沖の豊後水道の真ん中に立ち、百年以上光を放っている水ノ子島灯台で22日、今年最後の点検作業があった。潮の流れが速く大型船も頻繁に通る要衝で、長年、特に太平洋側から北上してくる船に頼りにされてきた。管理する大分海上保安部交通課の海上保安官らが年末年始の安全航行を願い、光を出す部分やレーダー機器などを念入りに点検した。

 水ノ子島灯台の初点灯は1904(明治37)年3月20日で、県内で3番目に古い。岩礁の無人島に立つ灯台本体の高さは約40メートル、平均水面から灯火までの高さは約56メートルで国内有数の規模。外壁部分は花崗岩(か・こう・がん)を積み上げて作られており、れんがなどとは比較にならないほど強いという。今年2月には経済産業省の「近代化産業遺産」に選ばれた。

 波が侵入しないようパッキンがついた重いドアから灯台の中へ。古びた食堂や寝室など、86年まで海保職員が交代で泊まり込んでいた名残もある。幅40センチほどの狭い階段を上って9階部分に着くと、ガラス張りの部屋の中央で巨大なレンズが輝いている。足元には、米軍機の機銃掃射で開いた穴も残っていた。

 初点灯時のランプは石油の白熱灯だったが、今は少ない電力で強い光が出せるメタルハライドランプ。波力発電と太陽光発電で動力の大半をまかなっている。運転状況は無線送信で把握でき、今では45日間隔の点検で済むという。

100万人キャンドルナイト:山武で環境イベント キャンドルが幻想的な夜景 /千葉

22日は冬至。全国各地で市民参加型の環境イベント「100万人キャンドルナイト」が開かれる。山武市のさんぶの森公園では20日夜、一足先に約5000個のエコキャンドルによる幻想的な夜景が見られた。

 昨年まで10年間続いたイルミネーションに代わる企画。家庭の廃食油と空き瓶、竹、ペットボトルなどで作ったキャンドルを公園の階段、池などに設置し、「ECO CAN」の文字やハートの光で美しいキャンドルナイトを演出した。訪れた女性の一人は「光がやさしい。続けてほしいですね」と話していた。【吉村建二】

部屋片づけ注意され…29歳男、父親を中華鍋で殴り包丁で刺す

父親を中華鍋で殴り包丁でけがをさせたとして、大阪府警大淀署は20日、殺人未遂容疑で大阪市北区長柄東の会社員、合沢昌利容疑者(29)を現行犯逮捕した。容疑を認めているという。

 逮捕容疑は20日午後8時5分ごろ、団地内の自宅で中華鍋で父の会社員、惟就(これなり)さん(54)の頭を10回ほど殴打。さらに包丁を持ち出して惟就さんを追いかけ、「刺すことは覚悟している。おれはかまわへん」などと言って階段でもみ合いとなり、頭や手に軽傷を負わせたとしている。

 大淀署によると、合沢容疑者は父親と2人暮らし。部屋を片づけるよう父親に注意されたことに立腹したとみられるという。

年の瀬の観光地 直撃

17日夕から18日にかけて相次いだ伊豆半島東方沖を震源とする地震で、県内では伊東市で17日深夜と18日朝の2回、震度5弱を観測した。同市内では負傷者が出たほか、建物の一部が壊れるなどの被害が出た。伊東はこれから年末年始の書き入れ時。不況のなかで迎える年の瀬に地震が追い打ちをかけることにならないか、観光関係者は客足への影響を懸念していた。

 伊東市災害対策本部によると、18日午前4時頃、同市岡で、地震の揺れのため男性(78)が自宅2階の階段を踏み外して転落し、腰を骨折した。また、県警によると、18日朝の2回目の震度5弱の地震で、同市馬場町でゴミを出そうとしていた女性(65)が転倒して腰を打ち、病院に運ばれたが軽傷。県危機管理局のまとめによると、17日夕以降の一連の地震のため、18日午後4時の時点で市内で7人が負傷した。

 17日夜の1回目の震度5弱の地震で、「伊東ショッピングプラザデュオ」(伊東市玖須美元和田)では、2階屋上にある水槽の配水管が破損し、スプリンクラー用の水が噴き出して天井や階段を伝い、1、2階の店舗部分に流れ落ちた。

 「デュオ」には雑貨、食品など47の専門店が入っており、各店の経営者や従業員が駆けつけ、余震が続くなか、夜を徹して水をかき出す作業やぬれた商品の後片づけなどに追われた。約4万冊の書籍・雑誌を取り扱っている2階の書店「サガミヤ」では、本棚から多数の本が床に落ちてびしょぬれになり、床に2センチほどたまった水を5、6人の従業員がモップなどでかき出したり、ぬれた本を拾い上げたりしていた。

 「デュオ」を管理・運営する伊東商業協同組合の沼田渉(わたる)理事長(66)は「揺れがドーンと来て、すぐに駆けつけたが、水の被害に遭うとは」と表情をこわばらせていた。

 2回目の震度5弱の地震後に市内の大型スーパーを訪れた同市桜が丘の主婦(40)は、「昨夜は揺れで何度か目が覚めた。小学生の子供たちも怖がっていた。とにかく早く終息してほしい」と話していた。

 市内では民家のブロック塀が倒壊したりホテル通路のガラスが割れたりするなどの被害が出た。県のまとめによると、水道管の破裂8件、家屋の一部損壊50件などの被害があった。

(2009年12月19日 読売新聞)

耐震改築の藤沢西高、学校名物を写真集に

藤沢市大庭の県立藤沢西高の校舎や体育館の壁、階段などは、10年間にわたって生徒たちが描いた約100点の壁画が飾る。その校舎と体育館で昨秋、耐震強度不足が判明し、建て替えや大規模補強が必要になった。「学校の象徴が壊される前に記録に残そう」とPTAと同窓会、学校が写真集を作り、17日、完成を発表した。

(山本真男)

  壁画は1998年、同高の美術教師植木孝二さんの指導で始まった。植木さんは若いころ、ニューヨークの街の巨大壁画に出会っていた。最初は美術部から広がり、美術の授業に採用された。

  通りかかる人たちの目をひく東棟外壁の絵は00年から2年がかりで描かれた。熱心な教え方で慕われた植木さんが05年、病気で亡くなった後も、伝統は引き継がれた。

  描く場所は生徒たちが自分で決める。

  東棟は建て替え、西棟と体育館は大規模補強の予定。それでも昨年度、建て替えられる東棟の柱の4面に床から天井まで描いた生徒がいた。そんな情熱をPTAが文化祭でバザーを開いてペンキ代を援助したり、足場を組む資金を同窓会が支援したり、と周囲が支える。

  「校舎が美術館のようになっている。姉が描いた絵を見て、下の子が入学してきたり、卒業した後、在学中に完成しなかった作品を描きに通ったり」とPTAの永井洋一会長はいう。

  写真集づくりはPTA、同窓会、学校の12人で委員会をつくり、今年5月にホームページに提案文を発表した。写真館に撮影を頼み、色があせた作品は当時いた教師が写真を提供した。

  A4判、オールカラーの49ページ。建物の各階ごとに壁画の位置を示した配置図に始まり、人物、動物、風景、デザインなど様々な作品を年を追って紹介する。今年度、制作中の作品も収められた。作品一覧や制作風景の写真、好きな壁画アンケートもある。

  写真集に寄せた文で、東棟外壁に描いた当時の校長は、足場を外した時を「生徒と一緒に下塗りした夏の日々が蘇(よみがえ)り、涙が止まらなかった」と振りかえる。植木さんの遺族は「さらなる新たな壁画を育む資料になる」と記した。

  写真集は2千部作成。学校関係者に実費700円で譲るほか、市内の図書館や地区のセンターに贈呈する。問い合わせは藤沢西高の壁画写真集作成委員会(0466・87・2151)へ。

出火当時、猛煙の恐怖を語る 浜松・マージャン店火災発生から1カ月

4人が死亡、3人が重軽傷を負った浜松市中区高丘東のマージャン店「金ちゃん」の放火とみられる火災は、17日で発生から1カ月。2階の隣り合った卓でマージャンをしていた8人の明暗を分けたものは何だったのか。店内から避難して無事だった客の男性は、迫り来る猛煙の恐怖を振り返った。

 「煙を吸って、ど苦しかった。だから死んでもいいと思って息を止めたんだ」

 1階に降りて火災に気づいた従業員の「火事だ」の声で、別の従業員が階段へ向かった。男性も後に続いた。従業員は二、三歩降りたところで立ちすくんでいた。煙がすごい勢いで上がってくる。

 「おえっ」。2人とも、もろに煙を吸い込んだ。直後、風船が割れるくらいの音量で「バン」と破裂音。店内は真っ暗になった。男性は呼吸を止めて約4メートル離れた窓へ。従業員も懐中電灯を探しだし、先を照らしながら男性に続いた。

 後に男性は、この従業員も呼吸を止めて避難していたことを聞かされた。「2、3回吸ったら助からない。明かりがついているうちにそう気づいたから、巻かれずに済んだんだ」と男性は話す。

 位置的には、焼死体で見つかった3人が囲む卓の方が窓に近かった。約1・5メートル、大またで二歩の距離だ。それでも3人とも、卓のそばで倒れていた。「大量の煙を吸って倒れ、焼死した」。司法解剖の結果も、暗がりの中、襲ってくる煙の恐ろしさを物語る。

 偶然も運命を分けた。男性によると、窓から脱出した客ら4人のうち、2人が転落していた。1人は全身強打による多発損傷で死亡した村上雍矩(やすのり)さん(64)。

 男性が地面に倒れる村上さんを介抱しているすぐ横に、別の客が落下してきた。「たまたまそこに自分のミニバイクが置いてあって、彼はそれがクッションになって助かったと言っていた」

    ◇

 浜松中央署捜査本部は放火の疑いが濃いとみて、これまでに延べ2100人の捜査員を投入。現在も1日80人体制で捜査を続けている。店の従業員や常連客ら約100人への聞き込みを終えた。

 情報提供を求める電話=フリーダイヤル(0120)211038=へは2件しか寄せられていない。捜査関係者は「ささいな情報でもいいのでお願いしたい」と話している。

旭川実、初戦突破めざす

■全国高校サッカー道代表
■沖縄・南風原と対戦 守り信条、室内練習場で磨く

 第88回全国高校サッカー選手権大会は、30日から東京・国立競技場などで開催される。道代表は9年ぶり2回目の出場となる旭川実。1回戦の相手は、攻撃力に定評がある初出場の南風原(はえばる)(沖縄県南風原町)だ。「南北対決」に向けて選手たちは昨年完成した室内練習場で練習を重ね、前回は実現できなかった初戦突破を目指している。
(斎藤茂洋)

 午後4時近くになると、授業を終えた約30人の部員たちが、雪に覆われたグラウンドの脇にある室内練習場に集まってきた。人工芝の上で体をほぐし、「よし、集中!」と元気に声を合わせて練習が始まる。選手権を前に、実戦を意識した練習を中心にしている。

 室内練習場は、昨年秋に完成した。大型のビニールハウスで、縦25メートル、横10メートルほど。蛍光灯が室内をともす。

 それまでは、校内の階段や廊下で走り込みし、バレーボールなど室内競技が終わった後、体育館でボールを追った。だが、室内練習場なら人工芝の上で動くことができ、富居徹雄監督(37)ら指導陣は「冬もこうしてボールに触れる違いは大きい」と語る。ボールをコントロールする力が向上し、夏の全国高校総体や今大会の出場に結びついた一因だと分析する。

 昨年のチームは、J1横浜F・マリノスに入団したGKの阿部陽輔選手ら、技能の高い選手が多かったという。富居監督は「それに比べ、今年の選手は下手」と言う一方で、「こつこつやれる。いいまとまり方をしている」とチームの特徴を評価する。選手には「ミスをした選手を助けられるプレーが出来ない選手は、いらない」と指導し、選手同士を競わせている。

 MFの串橋剛志主将(3年)は「全員がゴールを狙い、ゴールを守る試合をしたい」と意気込みを語る。対戦相手は攻撃力を誇る沖縄代表だが、「自分たちの持ち味は守備。しっかり守って無失点で勝ちたい」と、2回戦進出を狙っている。

 チームは18日に旭川を出発。関東で練習を積み、31日午後、千葉市のフクダ電子アリーナで初戦に臨む。

県総合文化センター立体駐車場建設へ 予算6億円を要求

県生活・文化部は、津市の県総合文化センターに立体駐車場を整備する方針を固め、来年度当初予算に建設費約6億円を要求した。14日の県議会予算決算委員会で示した。

 文化振興室によると、同センターの来館者用駐車場は現在、約1400台分。駅から徒歩25分ほどの場所にあるためマイカー利用者が多く、公演や催事が重なると満車になり、付近住民から渋滞や路上駐車の苦情が寄せられることも多い。

 駐車場の一部約230台分は2014年度に開館予定の新県立博物館の用地で、建設工事が始まると使えなくなる。不足分を補うため、11年度までにセンター前の平面駐車場を立体にし、高齢者らが階段を使わず入館できる直結通路も設けることを計画した。

 規模は2層3段か、3層4段を検討中で、総事業費は約8億円を見込んでいる。議員から「他の事業に優先してやるべきことなのか」と疑問の声も上がったが、同室は「長年の課題だった駐車場不足を解消でき、利便性の向上にもつながる」と必要性を説明した。

 予算決算委では、県の来年度当初予算編成に向けた各部局の要求状況が説明された。一般会計の要求総額は6913億円で、本年度当初予算より217億円多くなっている。

 (平井一敏)

韓国・釜山の射撃場火災:笠原さん、階段途中で救出 被災場所で明暗

【釜山(韓国南部)西脇真一】釜山市新昌洞の室内射撃場「ガナダラ実弾射撃場」の火災で、重傷を負った長崎県雲仙市の笠原勝さん(37)は、2階の射撃場から1階に下りる階段の踊り場付近で救助されたことが17日、関係者の話で分かった。火災は射撃場と外部をつなぐ唯一の出入り口に近い場所で発生しており、踊り場より奥の人は逃げるのが難しかったとみられる。

 警察当局は10人の死者の大半が大量の煙に巻かれた窒息死だったとの見方を示した。また室内のごみ箱に吸い殻が捨ててあったとの情報もあり、火災との関係を調べている。

 笠原さんは警察に対し、出火当時、射撃を終えて出入り口から約3メートルのトイレの前付近にいたと話している。

 報道などによると、笠原さんは「パーンと炎が控室の方に来た。すぐ階段で逃げたが熱風がひどく、やけどを負った」と病院で話している。出入り口に近い場所にいたかどうかが、明暗を分ける結果となったようだ。