11月29日11時45分配信 CNN.co.jp
ワシントン(CNN) 「米国の屋根裏部屋」と呼ばれる資料の宝庫、国立アメリカ歴史博物館が、2年間の改修工事を経て、29日までに再オープンした。5階分のアトリウム(吹き抜け)などが新たに設けられた。
アトリウムでは、壁一面のガラスの向こう側に、独立当初に掲げられた長さ14メートルの星条旗を展示。建物の中央部には大階段や天窓を設け、すっかり装いを新たにしている。講堂やレストランなども増設された。
同博物館は1964年、ワシントン中心部に建設された。科学、文化など各方面での米国の発展をテーマに、初代大統領ジョージ・ワシントンの軍服、第3代大統領トーマス・ジェファーソンが独立宣言を執筆した机から、エジソン時代の電球、人気子ども番組の司会者「ミスター・ロジャース」が着ていたトレードマークの赤いカーディガンまで、多彩な展示物が人気を集めてきた。
さらに再オープンを記念し、「人民の、人民による、人民のための政治」の一節で知られるリンカーン演説の原稿が、1月4日まで展示されている。通常はホワイトハウスに保管されている、リンカーン自身の手書き文書だ。
開館に先駆け、19日に開かれた記念式典にはブッシュ大統領も出席し、「この博物館は米国が誇りとする遺産を忍ばせてくれる。そして今、われわれは新たな時代の始まりに立ち合っている」と述べた。ブレント・グラス館長は「どんな年齢層の人々も、来館すれば米国人であることの意味を深く考えさせるだろう」と強調している。