2012年10月7日
穴水・沖波の15人 21日の訓練で活用
穴水町沖波の有志が六日、津波の発生に備えて避難路を整備した。山の斜面をならす大掛かりな作業を手分けして実施。お年寄りに気を配って設計した。二十一日にある町の一斉避難訓練で早速、避難路を活用して、効果を確かめる。(加藤健太)
海に面する沖波地区はほとんどが標高二メートルで、集落がある一体は県が試算した津波浸水想定区域に入る。地区で最も高い標高一五メートルの畑が町指定の避難所だが、傾斜が厳しい上、獣道のようで暗かった。昨年の防災訓練で使った際は、雨で足元が滑りやすく思うように避難できない人もいた。
危うさを感じた地元の有志十五人が立ち上がり、九月末から整備を始めた。草を刈って道幅を広くし、手すりや階段をこしらえた。お年寄りに試しに上ってもらったところ、段差が大きい部分があると気付き、修正した。
手間と時間をかけ、長さ四十一メートルの避難路は完成目前に。この日は三連休の初日ながら、有志たちが連携して作業を進めていた。
班長の諸口正意(しょうい)さん(61)は「楽に上れるようになった」と汗を拭い、メンバーの樽(たる)敏文さん(57)は「一斉訓練で成果と課題を見極めたい」と話した。