階段滑り止め 公園で相次ぐ子どもの事故の再発防止に乗り出した小児科医らの取り組みを取材しました。

 公園は子どもたちの遊び場として欠かせない場所ですが、国土交通省によると、2007年1年間に公園で起きた重傷・死亡事故は28件。
しかし、この数字は氷山の一角ではないかと指摘する専門家もいます。
相次ぐ事故をどうしたらなくすことができるのか、再発防止に乗り出した小児科医らの取り組みを取材しました。

神奈川・横浜市のある公園で、2007年、滑り台で1歳11カ月の女の子が、階段から落ちて頭蓋(ずがい)骨を骨折するなどの重傷を負った。
同様の事故が繰り返し起きている現状について、女の子を診察した緑園こどもクリニックの山中龍宏医師は「同じような事故が同じように起こっている。治療だけではだめで、なんとかきちっと予防を考えなきゃいけない」と語った。
山中医師が行った調査で、女の子は階段の3段目、1メートルの高さにも満たないところから落ちたことがわかった。
なぜ重大な事故につながってしまったのか、山中医師はデータの分析を産業技術総合研究所の西田佳史博士に依頼した。
西田博士は「設置面がコンクリートになっていて、そこに落ちると危ないなというのは、誰しも思うと思う」と語った。
データを分析した西田博士は、まず遊具の設置面を指摘した。
分析によると、女の子は、頭蓋骨が骨折するおよそ6倍の力で地面に衝突していたという。
女の子を待ち受けていたのは、遊具が設置されていたコンクリートだった。
西田博士は「(地面に)コンクリートではなくて、例えばゴムが設置されていた場合では、骨折の割合が16分の1になる。初めて計量的にわかったというところが大きな進展」と語った。
西田博士らは「地面を変えれば安全性が向上する」などと、研究結果を自治体などに報告した。
研究結果を受け、国土交通省は2008年9月、遊具の安全確保に関する指針を改訂した。
コンクリートの面には、遊具を設置しないことなどを明記した。
東京・渋谷区の公園では、安全対策が施され、ブランコやシーソーの下は弾力性に富んだゴム面に改装された。
公園にいた母親は「コンクリートよりは、ゴムの方が、転んでも大けがにはつながらないかなと思う」、「(遊具を)つかんでも落ちちゃうので、そのとき柔らかい方が助かりますね」などと語った。
こうしたゴム面への遊具設置は、欧米ではすでにあたりまえだというが、日本では予算の事情などから、改修されずにコンクリートむき出しになっている公園もまだ数多く残されている。
公園での事故の実態把握はもちろん、調査結果を生かした安全対策が急務となっている。

[24日13時2分更新] FNN

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA