元次官宅襲撃 歩道に点々と残る血痕…近所の住民「なぜ」

11月18日23時37分配信 毎日新聞

 血に染められた洋服、歩道に点々と残る血痕--。元厚生事務次官、吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)が襲われた東京都中野区の現場は惨劇を物語る。近所の住民は「奥さんはおとなしそうな人。なぜこんなことに」と声を震わせた。

 119番した専門学校生(27)は、歩いて帰宅途中に悲鳴を聞いた。近づくと靖子さんが自宅前で胸から血を流して倒れていた。事件直後に現場を通りかかった練馬区の会社員、井東良次さん(49)は通報者とみられる男性が警官に「(犯人らしき人物が)富士見台駅の方向に逃げた」と話していたという。

 近くに住む建設業の男性(33)は18日午後6時半ごろ、帰宅途中に靖子さんが倒れているのを目撃した。「玄関につながる階段でうつぶせになり、すぐに救急車で運ばれた。腹から下半身にかけて血だらけだった。長袖のシャツとスラックスが真っ赤だった。助けを求めていたのか、玄関前の歩道に約7~8メートル血の跡が残っていた」と振り返る。

 近くの女性会社員(47)によると、吉原さんは2、3年前から、夕方の散歩の際、いったん自宅の前の通りに顔を出し、周囲を確認し、再び自宅に戻ってから出て行く姿をよく見かけたという。「随分用心深く、誰かに狙われているのかなと思った」と話していた。

 近所の男性会社員(61)は「吉原さんは近所でも厚生省の事務次官までやった人と有名。でも偉ぶったところのない人。奥さんもいい人で、個人的に恨みを買うような人ではないと思う」と話した。

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