4月2日14時48分配信 河北新報
仙台市が緊急雇用対策として募集した鋼製の階段建設工事で、入札が2度不調に終わっていたことが1日、分かった。2008年秋まで続いた資材高騰の余波で、2度とも業者が集まらなかった。市建設局は、4月中に募集基準などを見直し、再々募集を行う。
入札不調に終わったのは、都市計画道路「北四番丁大衡線」と住宅地をつなげる「鋼製階段設置工事」。青葉区山手町、荒巻本沢3丁目に3基の階段を設置する。予定価格は5050万9000円。
2月18日から工事内容などを公開したが、3月3日の締め切りまで応募がなく入札を中止。16日まで期間を延長して再度募ったが、申し込みはなかった。
設置する階段には鋼材を使用する。入札不調の原因について市建設局は「資材高騰の余波で多くの業者が高値で購入した資材を抱えている。ピークの半値近くまで値下がりした現在の市場価格を基に積算した予定価格では採算が合わず、申し込みを見合わせているのでは」と分析する。
市建設局は、指名競争入札への変更を含め、4月中に対応を決める。4月からの制度変更で、5億円未満の入札の失格基準額が5%引き上げられる効果も期待する。
仙台市は緊急雇用対策として、総額26億円分の公共工事を09年度から前倒しして発注している。