重度脳性まひの石橋君 母、友支え希望の春 母「胸がいっぱいに」 福岡・久留米城南中

4月8日15時7分配信 西日本新聞

 低出生体重児の体重700グラムで生まれ、重い脳性まひによる障害がある福岡県久留米市長門石町の石橋秀剛(しゆうごう)君(12)が8日、同市の城南中に入学した。車いすが必要な石橋君は、言葉での意思疎通が難しく、1、2時間おきにたんの吸引や流動食の摂取も必要。母親の恵さん(40)が一緒に学校に通うほか、同校の介助員2人が階段の上り下りなどを手伝う。詰め襟姿で入学式に臨んだ秀剛君に、恵さんは「胸がいっぱいになりました」と目を細めた。

 「手厚いケアを選ぶか小学校時代からの友達との生活か」‐。入学は悩んだ末の決断だった。恵さんは市教委から、看護師や養護教諭4人が常駐して担当教諭も多い特別支援学校への入学を提案されていた。城南中にはエレベーターがなく、特別支援学級の担当教諭も特別支援学校と比べれば少ない。

 入学前、秀剛君と一緒に小学校の多くの同級生が進学する城南中を見学した。吹奏楽部の演奏や駆け回る在校生の声に秀剛君が目を輝かせた。「刺激が多い世界が、この子には合っている」。気持ちは大きく傾いた。

 学校側もできる限りの受け入れ態勢を整えようと、今月2日には全教職員約40人が恵さんと意見を交換した。坂本光夫校長は「専門教諭もおらず、限りはあるが、気持ち良く3年間を過ごせる努力を尽くす」と話す。

 入学式で、秀剛君は上級生に車いすを押してもらい会場に入った。「障害者も含めていろんな人が社会にいることを、秀剛とその友達が理解し合ってほしい」。恵さんはそう願っている。

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