大阪・中之島に巨大砂像 制作中の茶圓さん「大阪の人 驚かせたい」

ギリシャ神話の神々の巨大な砂の像の制作が、大阪市北区中之島の市立科学館北側広場で進んでいる。12日から中之島を中心に開催される「OSAKA光のルネサンス」(25日まで)の展示物の一つ。鹿児島県の砂像彫刻家の茶圓勝彦さん(48)が鳥取砂丘から運んだ砂を押し固め、像を削りだしている。茶圓さんは「砂でここまでできるのかと、大阪の人を驚かせたい」と意気込んでいる。

 会場に築かれた砂の階段の最上段ですでに姿を見せている時間の神「クロノス」の像は腕を組んで見下ろす。あごに蓄えた長いひげや背中の羽も砂でできている。

 茶圓さんは、平成11年にシンガポールで開かれた砂像彫刻世界選手権で、建造物が中心だったそれまでの常識を打ち破り、人物像を造って優勝。以来国内外の砂像イベントで活躍し現在は、鳥取市で開催中の「砂の美術館」のプロデュースを手掛けている。

 大阪では昨年も、同イベントで巨大砂像彫刻を制作したが、今年は昨年よりスケールアップし、1・3倍の200立方メートルの砂を使ってクロノスなど、4つのギリシャ神の像の制作を進めている。

 砂像制作ではまず、砂と水を混ぜて木枠に詰めてから、水を抜いて固い砂の塊をつくり、それを上からスコップや左官用のコテ、スプーンなどで削っていく。茶圓さんは「力を入れすぎると崩れてしまう危うさが砂像彫刻の魅力であり、また難しいところ。崩れないギリギリまで削る感覚が重要」と話す。

 完成すると、女神が横たわり天使が舞う、ギリシャ神話の物語が表現される予定だ。「クリスマスらしい、恋人たちが楽しめる物語のある像に仕上げるつもり。ライトアップで浮かび上がる表情の変化も楽しんでほしい」と話している。

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