昭和初期の神足小 回想録に

学校の古い歴史を知る長老たちの回想録をまとめようと、京都府長岡京市神足の神足小でこのほど、70~80代の卒業生を招いた座談会が開かれ、参加者が旧友との写真などを手に思い出話に花を咲かせた。学校側は座談会の内容を冊子などにまとめ、次世代に伝えていく。

 同小は1873(明治6年)年創立。1934(昭和9)年の室戸台風で校舎が倒壊し、3年後に現在地に移った。学校側が、当時の様子を知る卒業生に、語り部として学校の歴史を語り合ってもらい、資料として保存しようと座談会を企画した。昭和12~16年に卒業した地域住民10人が集まった。

 卒業生たちは、岡花秀樹校長らを前に、室戸台風について、「階段が左右にゆれた」「校庭に逃げたが、雨や小石が飛んできて立っていられなかった」などと生々しい体験を紹介し、「天災というよりたたりという時代だった」などと苦笑。豪雨でたびたび川がはんらんし、水害に遭った地域の歴史を語った。

 また、1学年男女1クラスしかなく、定刻の汽車の到着で授業の終了を知った当時の学校生活や、教育勅語の思い出などを語った。遠足で京都市山科区の大石神社まで歩いたり、向陽小と運動会で競い合ったことを懐かしそうに振り返った。

 長谷川修さん(86)は「学校のことを考えるいい機会。わたしらより前のことはもう分からないが、今のうちに自分たちが知っていることを話しておければ」と話していた。

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