マンション建設問題
鎌倉市岡本のマンション開発で、鎌倉市が出した開発許可が県開発審査会の裁決で2度にわたって取り消された問題で、同市の松尾崇市長は13日、開発用地の公有地化について今後、開発業者側に土地所有企業を加えて、交渉して行く考えを明らかにした。この問題では、事業主の建設会社が12日に、裁決取り消しを求めた訴訟の上告断念を明らかにしている。
同市や開発業者側によると、公有地化について、業者側の責任者と松尾市長が今月6日に面会。業者側が約2500平方メートルの開発用地を市に有償貸与して、将来的に市有地とする案を非公式に提示し、開発から撤退する可能性を示唆した。また、約13億円とされる投資の回収を希望したが、同市は高額過ぎると判断。用地の約4分の3を所有する都内のマンション分譲会社を含めて、交渉して行くことにした。
一方、造成工事で壊された階段状市道についても、同市は公有地化に先行して、原状回復への協力を求める方針。原状回復すると、工事車両の出入りが困難になり、事実上、マンション開発ができなくなるため、建設反対の住民たちが原状回復を強く求めていた。松尾市長は「交渉で理解を得たいが、場合によっては、市による代執行も検討する」としている。
(2010年4月14日 読売新聞)