◆競泳 日本選手権最終日(18日、東京辰巳国際水泳場) 19歳の堀畑裕也=日体大=が、最後に大仕事をやってのけた。400メートル個人メドレー決勝で、2種目めの背泳ぎでトップに立つと、差を広げ、2位以下に大差をつけてゴール板にタッチした。4分12秒02の日本新記録。さらにシーズン序盤とはいえ、今季世界最高記録のおまけがついた。電光掲示板で堀畑の快挙が分かった瞬間、場内からは大きな歓声が沸いた。「前から目標にしていた。出せてうれしい」とガッツポーズを作って喜びを爆発させた。
苦手を克服した。同種目で2位だった昨年は、バタフライと背泳ぎで前・日本記録保持者の高桑健(25)=自衛隊体育学校=に1秒22の差をつけられて、盛り返せなかった。「背泳ぎが苦手」という反省から、背泳ぎ100メートル世界王者、古賀の泳ぎを独自に研究。バサロキックでリードを広げる手法を取り入れて「1~2秒は速くなった」と手応えをつかんでいた。
上野競泳委員長が「いい形で締めくくってくれた」と言えば、平井伯昌・日本代表ヘッドコーチも「まだまだ伸びる」と大きな期待をかけられた19歳。「次は日本で一番最初に(4分)10秒を切ります」と力を込めた。一歩ずつ確実に、世界への階段を上っていく。
◆堀畑 裕也(ほりはた・ゆうや)1990年7月30日、愛知県生まれ。19歳。09年に愛知・豊川高から日体大に進学。同年の日本選手権400メートル2位で、ローマ世界水泳代表権を獲得。本大会では400メートル個人メドレーで9位。同年12月の東アジア大会(香港)で同種目優勝。169センチ、62キロ。