もう車いすでも安心 JR南部駅が階段昇降機を設置(和歌山)

12月1日17時10分配信 紀伊民報

 みなべ町芝のJR南部駅で1日、階段昇降機の供用開始式があり、車いす用昇降機の使用が始まった。みなべ町身体障がい者連盟の西原勲会長は「会員の悲願だった」と喜びを語った。
 開始式は午前9時から駅のホームであり、小谷芳正町長、西原会長、宮内栄治・紀伊田辺駅長ら約20人が参加した。
 小谷町長は「待ちに待った昇降機の設置によるバリアフリー。合併時の新町まちづくり計画で駅のバリアフリー化を打ち出し、実現に向けて取り組んできた。駅前に送迎車の停車場を設けるなど、さらに整備を進めている」とあいさつ。
 この後、冨山勝町総務課長が取り組みの経緯を報告。続いて、昇降機の試乗会があり、障害者らが車いすで昇降機の乗り心地を確認した。
 西原会長は「町内に体の不自由な人は623人いる。一番望んでいることは、駅の階段のバリアフリー化だった。アンケートでも、93人から『町長に要望してほしい』という声があり、要望書を提出したこともある。われわれの悲願がかない大変うれしい。感謝している」と話した。
 南部駅は3番ホームまである。2、3番ホームへ行くには、跨線橋(こせんきょう)の階段を上り下りしなければならない。車いすの人が橋を渡るには、事前にJRに連絡し、紀伊田辺駅から駅員に来てもらい、4人がかりで車いすを持ち上げて移動していた。今回の事業費は町と県、JRの3者で負担した。
 設置された昇降機は、重量180キロまで対応でき、電動車いすも使用できる。設置に伴い、階段に雨が降り込まないよう、すき間があった階段の壁を天井部分まで透明のアクリル板でふさいだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA