12月8日13時3分配信 毎日新聞
◇視覚障害者の転落事故をなくすために
「廿日市市障害者相談員協議会」など八つの障害に関連する団体と廿日市市は7日、合同で同市内のJR山陽線前空駅や阿品駅で、ホームからの転落事故防止のために、点検した。前空駅では、今年2月に目の不自由な人がホームから転落し、電車にはねられて亡くなる事故があった。障害者やボランティアら約30人が参加し、「事故は二度と起きてほしくない」と点検に力が入った。
両駅は改札からホームまでエレベーターが設置してあり、バリアフリーの比較的に進んだ駅。駅員らの案内のもと、視覚障害者らは階段から電車に乗るまでの道筋では、点字ブロックや案内アナウンスの声などを確認した。
障害者からは、設置されている点字ブロックでは進むべき方向が分からなくなった時に線路側とホーム側の区別がつかないなどの意見が出た。また、階段の手すりから、ホームの点字ブロックが始まるまでにわずかな距離があって危ない、とも指摘した。
事故後、JRは同駅の階段から手すりを延ばして乗車ドアに近づけ、階段などの場所を知らせる音響装置を取り付けた。事故前にはなかった非常ボタンも来年3月までに設置し、使用開始するという。
参加した大野障害者団体連絡協議会の植原鈴枝・視覚障害者代表は「駅によって、乗車ドアまで点字ブロックが続いてない場合もあり、ホームの端は分かりにくい。1人で出かけることはまずないが、柵や手すりで安心させてほしい」と話した。【井上梢】