12月12日16時3分配信 毎日新聞
柏原市教委は11日、同市国分東条町の河内国分寺跡(8世紀半ば)で、金堂のものとみられる延石(のべいし)の一部が見つかったと発表した。同寺跡は塔以外の建物配置は不明確で、市教委は「山すその起伏に富んだ地形を巧みに利用した壮麗な寺院の姿がイメージできる」としている。
延石は建物の基礎部分に敷く石。同寺跡では、70年の府教委調査でも一部発見され、これまでは中門跡のものと推定されていた。その周辺を対象にした今回の調査では、延石が全体で東西28メートル以上、南北8メートル以上にわたって敷かれ、幅約16メートルの階段が取り付けられていたことが判明。建物建立以前の奈良時代前半に作られたとみられる幅約6メートルの基壇状の遺構と広範囲の玉砂利敷きも見つかった。
同寺跡は大和川南岸の山すそにある。市教委は寺院の建築が可能な尾根の範囲や延石の長さなどから、金堂跡の可能性が高いとみている。
◇14日、現地説明
現地説明会は14日午後1~3時。近鉄大阪線河内国分駅徒歩30分。駐車場はない。市教委社会教育課文化財係(072・976・3430)。【曽根田和久】