全国高校駅伝:出場校の横顔/下 女子代表・白鵬女子 練習にスポーツ医学 /神奈川

12月19日12時1分配信 毎日新聞

 ◇選手の将来、常に念頭に
 女子第20回全国高校駅伝競走大会(全国高体連、日本陸連、毎日新聞社など主催)に出場する白鵬女子。本番を控えた今月中旬の晴れた日、小さなグラウンドで19人の選手が練習に励んでいた。
 肩に担いだ木の棒を水平に保ちハードルをまたぐ。体の軸を作りバランスを養う狙い。佐野純監督(50)が用意する100種ものトレーニングの一つだ。
 全国トップ級だったのに卒業翌年に引退した選手が数年前にいた。極端に左右非対称な走り方が故障の原因だった。「もっと早く分かっていれば……」。その反省からスポーツ医学を練習に取り入れた。
 選手たちは慶応大スポーツ医学研究センターなどで年数回、握力や最大酸素摂取量、心臓エコーなどを検査。無理のない効果的な練習につなげるためだ。都大路の強豪に比べ練習で走る距離もあえて抑えている。「量を増やせば結果は出る。高校でやめるのならそれでもいいけれど」と佐野監督。常に選手の将来が念頭にある。
 河口文、望月晴佳、尾形ひとみの3選手ら3年生主体のメンバーに目立ったけがはない。3年生5人中4人は実業団や大学で長距離を続ける予定だ。
 小さなグラウンドから都大路へ、さらにその先へ。少女らが今、駆け出す。【杉埜水脈、写真も】
 ◇「やっと走れる」
 ○…19人の大黒柱が植木杏実(あずみ)主将(3年)。白鵬女子への進学を希望したとき、母親や中学の先生から「強いチームに入っても使ってもらえない」と猛反対された。「強くなって見返してやろう」。そう思って頑張り、1年から県大会で走り続けてきた。
 昨年は3区を任され優勝に貢献したが、都大路では不調のため出場できなかった。メンバー発表の場で、同学年の河口文選手が泣いてくれた。「自分の分も頑張ってほしいと思ったけど、悔しかった」。京都に滞在した4日間、人目に付かないよう宿舎の階段で一人、毎日泣いた。
 それから1年。再び手にした都大路への切符。「やっと走れるので楽しみです」。目を輝かせた。
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 【白鵬女子】
 1時間11分15秒
監督  佐野純  (50)
1   河口文  (3)
2   望月晴佳 (3)
3   尾形ひとみ(3)
4   村元玲奈 (1)
5  ◎植木杏実 (3)
補   小島由衣 (2)
補   高橋舞  (1)
補   香取愛子 (1)

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