12月22日9時39分配信 京都新聞
甲賀市の水口医療センターでこのほど、地域住民が入院患者を避難させる防災訓練が初めて行われた。同センターは医師不足で本年度から診療所に形態を変更。職員数も減っており「万一の時は近くの住民が頼り」として、本年度中に2自治会と防災協定を結ぶ。
訓練には貴生川第2区と虫生野区の2自治会から約20人が参加した。「1階給食調理室から火災が発生。上階には入院患者が19人いる」との想定で、2階の病室から患者をレスキューシートで救出し、階段を下りて建物の外に避難させた。
貴生川第2区の倉田紘一郎区長(67)は「階段の傾斜に合わせて搬送するなど患者さんの扱いには細心の注意がいる。勉強になった」と話した。
水口市民病院から形態を変更した同センターは、職員数(臨時含む)が79人から50人に縮小。とくに夜間は当直2人、警備員1人、当直医1人だけの体制になった。山田芳幸事務長は「通報で駆けつける職員だけでなく、近隣住民の協力が不可欠」と話す。
県防災危機管理局と医務薬務課によると、こうした形での病院と住民との協力例は「聞いたことがない」という。