1月8日12時1分配信 毎日新聞
◇名古屋市交通局
駅構内の防犯ブザーを目立たせて犯罪を撲滅しようと、名古屋市交通局は地下鉄駅に設置しているブザーの存在を知らせる看板を付けた。赤色で縁取った突き出し看板で、市交通局の林光紀運輸課長は「犯罪者に心理的な動揺を与えて、犯罪を未然に防げれば」と効果を期待する。
市交通局によると、ブザーは市営地下鉄の全83駅の構内通路や地上への出入り口階段、女性トイレの計530カ所にある。設置基準は▽改札口から地上へ出るまでの通路の距離が長い▽人通りが少ない――など。ブザーの音量は80デシベルで、通行量の多い道路や人間が怒鳴った時の音量に匹敵するという。駅長室とも直結している。
突き出し看板は女性トイレを除いた57駅・計342カ所のブザーの上に先月中旬から取り付けた。縦12センチ横40センチで「SOS」の文字が記されている。突き出し看板では見づらい階段の踊り場はステッカーにした。
交通局によると、駅構内での犯罪の総件数は05年度~07年度は年間52件から41件。駅職員も被害者になるケースを含めた暴力行為事件は、05年度の9件から07年度は16件と増加傾向にある。林課長は「今後も必要なら改良を図り、安全・安心な駅にしていきたい」と話している。【岡崎大輔】