【台湾】【記者コラム】乃木希典にちなんだ名の、緩やかな石段

2月6日12時0分配信 NNA

 苗栗県南庄郷を訪れた。日本時代の町並みが残る「老街」で知られる。「乃木崎」という緩やかな石段があった。明治の軍人である乃木希典にちなんでいる。

 乃木は3代目の台湾総督。明治30年に南庄を視察した際、ぬかるんだ道では地元の人たちの作業に不便だろうと、50台湾円を寄付した上で石段作りの資金を募ったのだという。

 階段脇の石碑には「明治33年6月建立」とある。疑問が浮かぶ。この時、彼はすでに台湾を去っている。また、短い石段のために金を集め、完成に3年近くかかったとは考えにくい。

 石碑の記載が正しいとすれば、乃木の後任総督で同郷の天才参謀と呼ばれた児玉源太郎のはからいと勝手に考えたい。日露戦争の旅順攻略戦で乃木を救い、日本の勝利に貢献した児玉が、台湾でも乃木のために一肌脱いでいたのだと。(志)

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