9月19日11時1分配信 毎日新聞
◇死亡1人、重傷18人、軽傷293人
◇一番多かったのが…驚いて動いて 2番目は…落下物に
8月11日に発生した駿河湾を震源とする地震で、けがをした原因を「地震に驚いて」と回答した人が31・4%と最も多かったことが、県が18日公表した分析結果で分かった。県危機情報室は「家の耐震性への不安などが背景にあるのでは」と推測している。
地震は11日午前5時すぎに発生。崩れた本などに埋まって女性1人が死亡した。15日現在の県のまとめでは、けが人は重傷18人、軽傷293人の計311人。地域の自主防災組織や病院などを通じて集めた死傷の原因を、県が分析した。
その結果、「驚いた」に続いて「テレビや花瓶などの落下物」が20・5%▽「割れたガラスや食器など割れガラス」が17・0%▽「固定していない棚やタンスなどの転倒物」が5・4%--だった。
特に重傷を負った人を分析すると、あわてて逃げようとして階段から転落したり、急に動いたためアキレスけんを損傷したなど、原因が「驚いた」というケースが大半という。
県は今回の地震を受け、9月補正予算案に、木造住宅の耐震化補助金制度「TOUKAI-0」に1億円を盛り込み、申込件数増加に対応できるようにした。
県危機情報室は「けがの原因は一見すると落下物や転倒物と思えるが、根本的な対策として建物の耐震化が必要だ」と話している。【松久英子】