第64回国民体育大会「トキめき新潟国体」(新潟国体)第5日は30日、新潟県で行われ、卓球の少年女子は世界選手権シングルス8強の石川佳純(四天王寺高)を擁する大阪が3連覇した。少年男子はともに世界選手権代表の松平健太(青森山田高)丹羽孝希(青森山田中)の青森が連続優勝を13年に伸ばした。公開競技の高校野球硬式は県岐阜商(岐阜)が都城商(宮崎)を11-4で退け、62大会ぶり2度目の優勝を果たした。レスリングの成年男子グレコローマン66キロ級は清水博之(滋賀・自衛隊)が、北京まで3大会連続五輪代表の笹本睦(神奈川・綜合警備保障)を決勝で破り優勝。ボートの成年男子シングルスカルは、北京まで4大会連続五輪代表の武田大作(愛媛・ダイキ)が勝った。サッカーの女子決勝は岡山が新潟を3-0で破り、初優勝した。
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●上り調子でロンドン目指す
悲願の国体初制覇だ。レスリング成年男子グレコローマン84キロ級で福岡の天野雅之(中大3年)が頂点に立った。「ロンドン五輪への道を進みたい」。6月の全日本選抜選手権は3位、9月の全日本学生選手権はフリーで準優勝。3、2、1と階段を上った男は自信を持って言い切った。
最大の難関は準決勝だった。埼玉の伊藤諒(自衛隊)は全日本選抜で準決勝、昨年の全日本選手権2回戦で負けた相手。その強敵に2-0で快勝した。「ここを勝って波に乗れた」。決勝は第3ピリオドにローリングでポイントを奪い、そのままフォール勝ち。「焦らずに相手のスキがつけた。自分の思う展開に進めることができた」と会心の試合運びを見せた。
東福岡高3年時の国体は2位に終わった。「日本一」を目標に、ヘルシンキ五輪金メダリストの石井庄八氏、総合格闘技界のスター、桜庭和志らを輩出した中大レスリング部で技を磨いた。昨年の世界ジュニアは5位。国際舞台でも実績を残した。「12月にある全日本選手権も勝ちたい。そのために明日からまた練習です」。表情を引き締め、「2冠」を誓った。
=2009/10/01付 西日本スポーツ=