さいたま 虐待で1歳重体

◇容疑の母親逮捕

 さいたま市内の自宅で1歳6カ月の長女に暴力を振るい、意識不明の重体にさせたとして、母親が12日、浦和西署に傷害容疑で逮捕された。市児童相談所は事件前日、別のけがで診察を受けた長女への虐待を疑った医師から相談を受けていたが、警察には通報していなかったという。

 同署によると、逮捕されたのは、同市桜区下大久保、無職清水恵容疑者(33)。10日夜、自宅で長女花音ちゃん(1)の頭を木柱に打ち付けるなどの暴行を加え、急性硬膜下血腫の大けがをさせた疑いがあり、「育児や離婚のストレスでイライラしていた」と容疑を認めているという。

 「子どもが柱に体をぶつけて意識がない」と119番通報。搬送先の市内の病院の医師が、花音ちゃんの腕にも以前のものとみられる骨折の跡があるとして、「虐待を受けている疑いがある」と同署に通報した。

 清水容疑者は4月に離婚。30代の無職男性と3人暮らしで、生活保護を申請していたという。

 市児童相談所によると、清水容疑者は事件前日の9日、「階段から落ちた」と花音ちゃんを市内の病院に連れて行った。医師は1カ月以上も前に骨折したとみられる跡があると判断し、不審に思って同日、同相談所へ連絡した。

 同相談所が調べたところ、清水容疑者が生活保護の受給申請をしており、13日、申請に必要な家庭内調査が予定されていたことが判明。その結果を待って対策をとることにした。清水容疑者自ら病院へ運んだという経緯も考慮したという。

 こうした対応の理由について、同相談所は、突然の家庭訪問で子どもの保護に失敗するのを避けるためだと説明する。「虐待の疑いがあるということで、すべて警察に通報するわけではない」(同相談所)という。

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