車いすで生活しているお年寄りに歩ける喜びを再び味わってもらおうと、香川県善通寺市の介護老人保健施設が、歩行動作を補助する装着型の自立支援ロボットを導入した。体を動かそうとする際に皮膚に現れる信号をセンサーが検出してモーターを動かし、歩行が困難な人を補助する仕組み。
自立支援ロボット「ロボットスーツHAL」を導入したのは、医療法人社団純心会(前田隆史理事長)が運営する同市中村町の介護老人保健施設ハートフルねんりん荘。四国内で初めての導入となる。
HALは、筑波大発のベンチャー企業サイバーダインが開発。同社と総代理店契約を結ぶ大和ハウス工業が昨年10月から介護・福祉施設を対象にリース販売を始め、これまでに約10件の導入実績があるという。
補助する動作は、歩くことのほか、立ち上がったり階段の上り下りなど。センサーが検出した信号を解析し、関節部分に内蔵したモーターの動きを制御して脚力を補う。脚力などに合わせて補助するレベルを調整して使うことも可能。
前田理事長は「利用者には介護度の高い人が多い。自力で歩く感覚を思い出してもらうことで、リハビリに一層精を出してもらえれば」と話している。