福は内  鬼も内?

芸妓ら華麗に『節分祭』
金沢・東山の宇多須神社
 節分の三日、金沢市東山の宇多須神社で恒例の「節分祭」があった。雪の降る中、近くの住民ら約六百人が、豆まきで一年の無病息災を願った。

 拝殿ではひがし茶屋街の芸妓(げいぎ)ら約二十人が頭にべっ甲のかんざしと稲穂を差し、黒紋付きに長すその華麗な姿で「めでたいな」「さわぎ」などの優美な舞いを披露した。

 続いて、総代と芸妓らが、境内の階段から約三千袋分の豆をまくと、参拝者らは競うように手を伸ばしていた。

 毎年訪れている同市東山の杉岡登喜子さん(67)は「今年は五袋も豆をつかめてうれしい。家族の健康を願いました」と笑顔で話した。 

  (山野舞子)
能登町で『あまめはぎ』 幼児ら大泣き
 一年の豊作や家内安全を願う国指定重要無形民俗文化財の奇習「あまめはぎ」が三日、石川県能登町であった。怠け者を懲らしめる鬼が家の中に入ると、驚いた幼児たちが怖がって泣きじゃくる一幕が見られた。

 「あまめ」はいろりの前で怠けていると体にできる「火だこ」の意味。農耕期を前に、鬼が怠け者のあまめをはぎ取って懲らしめるという。

 能登町秋吉地区では、木包丁と手おけを持ち鬼の面を着けた小中学生七人が雪の中を一軒ずつ訪問。「秋吉あまめはぎ保存会」会長の天野登さん(74)宅では、鬼が「あまめー、あまめー」と声をあげていろりを回り、幼児たちが「言うこと聞きます」と怖がって泣き叫んでいた。 (中平雄大)

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