西大寺会陽500周年

20日夜に岡山市東区の西大寺観音院で営まれた西大寺会陽(えよう)。500周年の節目を迎えた会陽には過去最高の9500人が参加、2本の宝木(しんぎ)を奪い合う勇壮な姿に観客3万3000人が寒さを忘れて見入った。

 飲酒をしての参加による事故を防ぐため、今年から宝木投下は例年より2時間早い午後10時になった。同9時頃から観音院周辺にいた男衆が「わっしょい、わっしょい」と叫びながら境内に登場し、「垢離取場(こりとりば)」で清めの水を浴びた男衆が本堂に集まり始めた。

 体から湯気を立ち上らせる男衆は、宝木が投下される2階の御福窓に向かって手を伸ばし、本堂の大床に乗り切れない集団が階段から崩れ落ちる姿も。午後10時に明かりが消され、坪井全広住職が2本の宝木を投げ入れると、地響きのようなうなり声が起きた。

 約15年ぶりに見に来た岡山市東区西大寺中野、会社員安田郁子さん(50)は「記念すべき年だからこそ、近くで見たかった。500年も続くなんて、地元の誇りです」と話した。

 約1時間後、岡山商工会議所西大寺支所に、宝木を獲得した2グループの福男が仲間に担がれて現れ、米を盛った升に突き立てた。

 福男は次の皆さん。

【寺坂グループ】加島谷祐司、寺坂幸也、古家野幹仁【飯田組】飯田耕太郎、岡田勲、田坂大地

     ◇

 救護を担当した日本赤十字社県支部によると、20人が手当を受けたり、病院に搬送されたりした。いずれも、命に別条はないという。

(2010年2月22日 読売新聞)

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