小牧山:発掘調査 天守閣囲む石垣発見 信長、長期滞在考えていた? /愛知

織田信長ゆかりの国指定史跡、小牧市の「小牧山」の発掘調査で、城の天守閣(跡)を囲むように築かれた石垣が見つかった。信長は4年間しか住んでおらず、これまで土塁による「仮住まい」の城とみられていたが、調査した市教委は「石垣が確認されたことで築城当初は長期滞在を考えていた可能性がある」と説明している。

 信長は1563年に小牧山城を築城したが67年には岐阜・稲葉山城を攻略して居城を移した。短期間に2度も移っているため小牧山城は仮住まいとの見方が有力だった。04年からの試掘調査で天守閣があった山頂付近の南側斜面で石垣の一部が見つかり、今回の調査では3カ所で2段積みの石垣が新たに見つかった。これにより天守閣の四方を石垣で囲んだ本格的な城だったことがわかった。

 石垣は階段状で1段目が高さ1・3メートル、2段目が1・8~2メートル。最長部では10メートルにわたってみつかった。大半は中腹の岩を切り出したとみられるが、中にはその場で岩盤を削った部分もあった。石積みの技術は未熟で、同様の構造は滋賀県の安土城にもみられるという。市教委は「大変な労力をかけて築城したことを考えると、当初は小牧山城に腰をすえて美濃攻めを考えていたのではないか」との見方を示している。

 市は小牧山を史跡公園にするため整備を進めている。さらに調査した上で石垣を復元し公園のシンボルにする計画だ。【花井武人】

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