池袋東武に「爆窃団」6階外壁に穴…腕時計盗難

アジア系外国人窃盗グループ「爆窃団」の犯行とみられる窃盗事件が発生した。東武百貨店池袋店(東京都豊島区)の宝飾時計売り場で1日未明、腕時計など計約70点(販売価格計500万円相当)が盗まれた。売り場近くの外壁に穴を開け店内に侵入する手口で、警視庁池袋署は関連を調べている。

 またもや高級腕時計が狙われた。

 1日午前3時20分ごろ、百貨店6階の防犯センサーが作動。警備員が駆け付けたところ、時計売り場のショーケースが8カ所壊されていた。池袋署によると、6階と7階の外壁には約60センチ四方の穴がそれぞれ開けられており、6階の穴から店内に侵入した形跡があったという。

 外の非常階段入り口の防犯ビデオには午前0時40分ごろ、3人組の姿が写っていた。非常階段を上り、油圧ジャッキで外壁を開けたとみられる。外壁は厚さ13センチで鉄筋コンクリート製。百貨店の外には油圧ジャッキやのこぎり、懐中電灯が残されていた。

 7階は書籍や文具、おもちゃ売り場で、侵入された形跡はなかった。外壁は池袋駅メトロポリタン口に隣接しており、3人組は非常階段に通じる内鍵のドアをこじ開けて侵入したとみられる。

 6階の防犯ビデオにも3人組の姿が写っており、午前3時40分ごろには3人組が立ち去る様子も撮影されていた。いずれもフードをかぶっており、性別などは分かっていない。池袋署では、外壁に穴を開けて侵入する手口から、爆窃団による犯行の可能性が高いとみて調べている。

 爆窃団の関与が疑われるケースでは、1月に東京・銀座の貴金属店「天賞堂銀座本店」で高級腕時計約200点(2億4500万円相当)が盗まれた。売り場の防犯センサーを完ぺきに避けるなど、犯行は綿密な計画のもと遂行された。この事件では香港当局が香港人の男女6人グループを逮捕している。

 ≪犯行ごとに出入国繰り返し…≫爆窃団は荒っぽい手口から、こう呼ばれている。犯行ごとに出入国を繰り返す「ヒット・アンド・アウェー」も特徴。80年代後半から90年代にかけて全国各地で被害が相次ぎ、一時沈静化するも05年から再び活発化した。爆窃団の犯行とみられるほかの事件では、昨年6月に神戸市の「大丸神戸店」8階の外壁に穴が開けられ、高級腕時計ロレックスが約60点(4000万円相当)盗まれた。先月24日にも札幌市「丸井今井札幌本店一条館」の8階でスイス製の腕時計30点(約1500万円相当)と貴金属類217点(7800万円相当)が盗まれた。8階の窓ガラスが割られ、窓ガラスの店内側の物置スペースと売り場を仕切るベニヤ製の壁も50センチ四方でくり抜かれていた。

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