絵本 日常に潜む身近な危険知らせる…有志が制作

11月8日11時36分配信 毎日新聞

 階段やドアなど、日常に潜む身近な危険を子どもに知ってもらおうと、研究者や民間企業の有志らが絵本を製作した。交通安全をテーマにした本はあるが、日常生活での注意を子どもに分かりやすく伝える絵本はこれまでなく、保護者らから歓迎の声が上がりそうだ。本は全国の幼稚園約1万3000カ所に無料配布するとともに、ホームページ(http://www.kikengaku.com/)でも公開を始めた。

 絵本「あぶない!きけん!」(A4判、65ページ)は4歳前後を対象に作られた。舞台は幼稚園。男の子がドアのすき間に手を入れて遊んでいると、女の子がドアを閉めてしまう。ここで、絵本を読む子どもが「ドアは挟まれるから危ない。ドアで遊ばないように」と、本の登場人物に呼び掛ける、という構成だ。このほか滑り台やベランダなどでの注意点が登場する。

 併せて保護者向けの冊子「子どものための危険学」(69ページ)も作り、浴槽でのおぼれなど家庭内での事故の予防策や応急処置を掲載した。

 絵本は、六本木ヒルズの回転ドア死亡事故(04年)をきっかけに、身近な事故防止を目指して07年に発足した「危険学プロジェクト」(代表・畑村洋太郎工学院大教授)が企画し、幼稚園の先生や小児科医も協力した。イラストを担当した近石(ちかいし)直子さん(35)は「子ども自身が危険に気づくことで、減らせるけがは多い」と話す。【下桐実雅子】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA