<イーフロンティア>ドラえもんの家をCGで再現 階段が“はしご” 廊下は狭く

12月9日12時46分配信 毎日新聞

 人気マンガの間取りをコンピューターグラフィック(CG)で再現できる住宅デザインソフト「シェードホームデザイン+名作マンガの間取りバンドル」(1万1380円)がこのほど、発売された。CG制作から見た人気マンガの間取りの“真実”とは?【河村成浩】

 ソフトは、書籍「名作マンガの間取り」(影山明仁著、ソフトバンククリエイティブ刊、1000円)に収録した50点の間取りデータを収録している。再現したい家のデータを読み込んでトレースし、約2200点ある壁や家具のパーツを配置するだけで、CGで名作マンガの家ができあがるという仕組みだ。イーフロンティア企画開発統括部の廣嶋哲也さんは「画像加工ソフトの操作よりも簡単かもしれません。パズルゲーム感覚で遊んでもらえれば」とアピールする。

 バンドルソフトの誕生は偶然だった。廣嶋さんが話題となった「名作マンガの間取り」を読むうちにドラえもんの家を「本当にソフトで組めるか」と試してみたところ、約1時間で完成したという。簡単に作れ、面白かったことから廣嶋さんはソフトバンククリエイティブを訪問、快諾を得たという。CGで家を作ると、家具を好きなように配置したり、名作マンガの家に自分の部屋を割り込ませたり……といった応用もできるという。

 「作った家の中も歩けるんですよ」という廣嶋さんに、CGでできた「ドラえもん」の家を案内してもらった。予想よりも2階の廊下が狭く、階段がはしごのように急勾配になっている。「原作の本でも触れているのですが、CG化すると結構無理のある家って多いんですよ」と明かす廣嶋さん。CGで作るという視点から見ると、2階建ての家は難易度が高め。ちなみに設計がしっかりしているのは、「クレヨンしんちゃん」の野原邸という。意外なのは「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」の家で、昭和の風合いを出すのにコツがいるという。同社の3DCGソフト「シェード」シリーズと互換性があり、オリジナルの家具を作ったり、果ては人も作って配置することもできるというが、ひと手間がかかるのがネックだ。

 逆に言いかえれば、部品を作れたら何でもできる。パソコンの性能が許せば、理論上は「ベルサイユ宮殿」や「バベルの塔」も作れ、実際に13階建てのビルを作ったつわものもいる。テレビ番組の依頼を受けて、北朝鮮の幹部の家をCGで作ったこともある。

 廣嶋さんは「好きな家を設計して、CG作品を公開するSNS『アーティストサイド』に気軽に投稿してほしい。将来的には、タイルや家具などをみんなで自作して交換できるようになれば最高ですね」と話す。自分の好きな作品の家をCGで組み立て、キャラクターを配置し、その美しさを競う。ジオラマをCGで再現する時代はそこまで来ているのかもしれない。

アーティストサイド http://artistside.com/

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