12月9日17時39分配信 産経新聞
改札を通るとクリーンエネルギーが発生します-。JR東日本は9日、東京駅八重洲北口改札に「発電床」を設置した。来年2月初旬まで新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと共同で実証実験を行う。今年1~3月以来の3回目となる。
発電床は圧力や振動を電圧に換える圧電素子と呼ばれる電子部品を敷き詰めたもの。自動改札通路やコンコース、階段など約25平方メートルに約6200個の電子部品を設置した。1人通過しても40ワット型のLED照明が一瞬つく程度だが、1日当たりでは約17時間点灯できるだけの発電を目指す。
過去2回は素子の強度不足が原因で、数週間後には発電量が当初見込みの3分の1から3分の2に落ちてしまった。今回は電子部品の形を直径3・5ミリの円形から一片2・5ミリの正方形に変えたり、床面のゴムマットの上に石材パネルを重ねて素子にかかる圧力を均等するなどの改良を加えた。
蓄積した電力は、1日の発電量や発電床の仕組みを表示する電光掲示板の一部に利用する。JR東は「将来的には自動改札機など駅設備の電力を賄いたい」とするが「実用化はまだまだ先」とのこと。今回の実験が大きな“一歩”となるか?