大阪のパチンコ店火災 防犯カメラに不審男 隣接ビル、携行缶放置

7月6日15時56分配信 産経新聞

 大阪市此花区四貫島のパチンコ店「CROSS-ニコニコ」が放火され、4人が死亡、19人が重軽傷を負った事件で、出火直前の店内の防犯カメラ映像にバケツで液体をまき散らす男が写っていたことが6日、捜査関係者への取材でわかった。目撃者の証言では直後に炎が激しく噴き上がっていたことが判明。気化したガソリンに引火し、爆発的な燃焼が起こる「爆燃現象」が起きた可能性があり、此花署捜査本部などは同日午前から現場検証するとともに、カメラ映像を解析し男の特定を進める。総務省消防庁や労働基準監督署も職員を派遣、現場の状況を確認した。

 一方、パチンコ店の東に隣接する雑居ビル1階の階段付近で、少量のガソリンが残った赤い鉄製の携行缶が放置されていたことも判明。現場から南東約800メートルの此花区内のホームセンターで5日午後、携行缶とバケツ、マッチの購入記録も残っていた。捜査本部は男がガソリンを携行缶に入れて現場付近に持ち込み、バケツに移し替えた可能性があるとみてホームセンターの防犯カメラ映像も調べている。

 捜査関係者によると、男は細身。目撃証言では30歳前後で黒いTシャツを着た茶髪の男という情報もある。パチンコ店の防犯カメラの映像には火をつけた様子も写っていたという。

 男は店の南東側出入り口から無言で押し入り、持ってきた青いバケツに入っていた可燃性の液体をまいた瞬間、火柱があがり、炎が一気に広がった。出火後約20分という短時間で鎮圧されたものの、パチンコ店443平方メートルがほぼ全焼し、23人もの死傷者を出した状況から、爆発的な燃焼が起こった疑いが強いことが判明。ガソリンのような揮発性の高い引火性ガスが密室に充満して着火すると起こりやすい「爆燃現象」の可能性があるという。

 また、男は液体をまき散らした後、火を付けた棒状のものを投げ込んだという目撃証言もあることも分かった。常連客の男がこの日、負けてパチンコ台をたたき、店員とトラブルになったとの情報もあり、捜査本部が当時の状況の確認を急いでいる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA