8月18日7時56分配信 産経新聞
大正時代に建設され、音響効果が優れているとされる府庁本館(大阪市中央区)を音楽やダンスなど舞台芸術に利用してもらおうと、府は10月から来年3月まで、平日の昼休みや休日の日中、本館正面玄関を提供する。31日まで公演団体を募集、書類審査で決定する。
厳しい財政事情を反映して予算はゼロだが、優れたアーティストがここから出ることを期待して「ひょうたんから独楽(こま)劇場」と命名した。
正面玄関のフロアは3階まで吹き抜けで、大理石が敷き詰められるなど豪華な空間。だれでも立ち寄って公演を鑑賞できるのが特徴で、レトロ庁舎でムードたっぷりのパフォーマンスが楽しめそうだ。
府庁本館は大正15年完成で、全国の都道府県庁舎では最古とされる。地下1階地上6階、3階までの吹き抜けの正面玄関のフロアは12本の大きな柱が設置され、イタリア産の大理石を使用した階段もあり、音響効果が優れているとされているが、これまでほとんど芸術活動には利用されてこなかった。
公演時間は開庁日は午後0時15分から1時、閉庁日は午前10時から午後4時までで1時間ずつ2回の公演活動が可能。10月から公演を始め、1カ月に1回程度としているが、応募数によっては月に複数回の公演も認める。
すでに大阪センチュリー交響楽団など3団体が先行公演を開始。府文化課では「近くの職場の人や大阪城を訪れた府民が来てくれるはず」と期待している。
公募するのは、府内で演劇、伝統芸能、合唱、楽器演奏、ダンスなどの舞台芸術活動を行っている団体で、政治、宗教、営利活動に結びつく行為でないことなどが条件となっている。
府のホームページから応募用紙をダウンロードし、郵送か持参で府文化課に申し込む。問い合わせは同課((電)06・6944・9140)。