【台北3日】歌手、倖田來未(26)が国立台湾大学総合体育館で、初の単独海外公演を行った。2000年12月のメジャーデビューから約9年にして念願の単独上陸。日本語での大合唱や字幕通訳を交えたトークなど現地ファン約5000人と一体となり、倖田は「8年ぐらい前から台湾に来たいと思っていた。みんなに会いたいって思ってたら夢がかなった。あきらめないで本当に良かった…」と感激のあまり号泣した。
涙でかすんでステージが見えない。力強い拍手と“くぅちゃんコール”が響き渡るアンコール。ファンの温かい声援に「夢をかなえるってこういうことなのかと感じた1日。改めて皆さんと会えて本当に幸せ者です」と感極まり、涙。そして「音楽って国境を越えられるとすごくすごく感じました。ありがとう!!」と感激の表情をみせた。
単独海外公演は倖田にとって悲願だった。これまで米国で4回、韓国で2回、音楽イベントに出演。各国の歌手と肩を並べて歌ううちに、本格海外進出への思いは強固に。また、8年前に台湾の俳優で歌手、ショウ・ルオ(30)とフジテレビのCS番組「亜州進行式」で一緒に司会を務めたことで、台湾公演への思いがより強まっただけに、「何てみんなにお礼を言えばいいか分からない」と感謝。夢の舞台に立てる喜びをかみしめた。
台湾では04年の「キューティーハニー」の発売を機に、知名度が急上昇。來未とファンクラブ「倖田組」をかけた「組長」との愛称で、“性感”(セクシー)な歌手として親しまれており、06年にショウとのミュージックビデオでの共演で人気は不動のものとなった。
記念公演とあってステージはサプライズの連続だった。圧巻は怒濤のサビメドレー。「BUT」「愛のうた」など15曲のサビを一気に熱唱。激しく腰をくねらせて男性ダンサーと絡むセクシーダンスで会場を悩殺し、「Twinkle」ではショウがゲスト出演。同曲を英語でライブ初共演し、「いつか台湾で共演しましょう」と指切りすると会場は歓喜の渦に。電飾ドレスなど9変化でも魅せ、会場は21曲ともに大歓声で沸いた。
初訪台した1日には空港に約150人のファンがお出迎え。翌日にはその様子を地元新聞4紙が芸能面のトップで報じる注目度の高さだった。
最後は歌姫にファンが惜しみない拍手。新たな一歩を踏み出した倖田は「必ず戻ってきます」と再会を約束した。
デビュー10周年を前に、日本の歌姫がアジアの歌姫へと、またひとつ階段を上った。
[2009年10月4日8時0分]