刺殺次男の足にひも、隠蔽工作の跡か 愛知3人殺傷半年

愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(当時57)方で5月、一家3人が殺傷された強盗殺人事件で、刺殺された次男のケーキ店店員雅樹さん(同26)の足に、ひも状のものが巻かれていたことが蟹江署特別捜査本部の調べでわかった。捜査関係者が明らかにした。犯人が遺体を隠すため、ひもで縛って運ぼうとした可能性があるという。

 これまでの調べでは、喜保子さんの遺体の隠蔽(いんぺい)工作が入念になされる一方で、雅樹さんの遺体は同部屋に放置された状態で見つかるなど、犯人の行動のちぐはぐさが疑問視されていた。特捜本部は一貫して証拠隠滅に執着していた犯人像を示すものとして、雅樹さんの遺体状況を重要視している。事件は11月1日で発生から半年を迎える。

 特捜本部によると、雅樹さんは上半身裸にズボン姿で、1階和室の布団の上でうつぶせで見つかった。背中には肺動脈に達するほどの刺し傷があり、ひも状のものは遺体の足首付近に巻かれていたという。

 雅樹さんより先に殺害されたとみられる喜保子さんの遺体は毛布をかけられた状態で、同じ和室の押し入れに入れられていた。特捜本部は犯人が喜保子さんの遺体を隠した後、雅樹さんの遺体の隠蔽工作をしていたときに三男の勲さん(25)が帰宅し、工作を中断したとみている。

 また、逃走経路とみられる玄関から勝手口までのほかに、2階に続く階段に勲さんが履いていたスニーカーとみられる靴跡が残っていたこともわかった。この階段と2階の廊下からは血液反応も検出された。2階には、勲さんの衣服などが置かれていたという。

 現場からはこのスニーカーがなくなっており、犯人が履いて逃走したことや、犯人が勲さんと争った際、足にけがをしたとみられることがわかっている。特捜本部は犯人が血の付いた自身の靴跡が現場に残るのを恐れて、靴を履き替えて、土足で着替えを物色したとみている。犯人が着ていた血の付いたパーカは犯人が洗濯したとみられ、ぬれた状態で玄関に残されていた。

 このほか、家族3人の血液型とは異なるO型の血液が室内に残された遺留品から検出されたこともわかり、犯人像の絞り込みを進めている。

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 特捜本部はフリーダイヤル(0120・011・076)で情報を求めている。

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