週末には宇都宮市内の各店に長蛇の列ができ、いまや全国区となった宇都宮餃子。その魅力を発信し、地域おこしにつなげようと7日、「宇都宮餃子祭り」が中心市街地で始まった。今年で11回目。初回2万人だった来場者は年々増え、昨年は11万人(主催者発表)に。大半が市外で、県内はもとより東京、茨城などからも足を運ぶ。秋の風物詩として定着した感がある祭りの風景を報告する。
午前10時30分。JR宇都宮駅改札。祭り目当ての人たちが臨時案内所でチラシを受け取り、20分間隔の無料循環バスに乗り込んだ。バスはすぐ満杯に。
祭り会場は3カ所。まちかど広場は同10時すぎには早くも100人ほどが行列。午前11時の開始を前に各店が焼き始め、香ばしいにおいが立ちこめた。
オープニングセレモニーでは実行委員会メンバーがくす玉を割り、宇都宮餃子会専務理事の平塚康さん(57)が「会が発足して15年。家庭の味が商品に、そして名物になった。今後も価値の高いものを提供したい」と力強くあいさつした。
出店数11と最も多い二荒山神社境内のバンバ市民広場は、正午には店ごとに長蛇の列ができた。参道階段まで達し、動くのもままならない。初出店という店主は「2日間で8千個用意した。とにかく忙しい」と汗をふく間もない様子。
祭りの売りは1皿100円のギョーザだ。茨城県牛久市から夫とオートバイで訪れた主婦(45)は「市内の有名店2軒をはしごしてからここに来た。5、6皿は食べたい」。
日野町通り会場は、30分待ちだった行列が午後0時半を過ぎて1時間待ちに。車座になってほお張っていたサイクリングウエア姿の中年男性3人は「自転車で茨城から75キロ走ってきた。来たかいがあった」
二荒山神社横の表参道スクエア駐車場には水戸、土浦、大宮、千葉など県外ナンバーの車が多く見られた。祭り会場とは別に、“通常”のギョーザ店にも列ができた。
東京から電車で友人3人と来た会社員女性(36)は、今年で4回目。3会場と老舗店1店を制覇した。「30個いきました。食べ比べができて楽しいですね」とご満悦。
7日の来場者は約4万5千人。祭りは8日も行われる。