【有馬記念】ブエナ、復活で09年締めだ

「有馬記念・G1」(27日、中山)

 中央競馬の09年ラストを飾る有馬記念(27日・中山)のファン投票最終結果が10日発表された。1位はウオッカ(鼻出血で規定により出走不可)の10万5059票で3年連続。2位にブエナビスタが入った。出走意思がある16頭(ファン投票上位10頭+賞金順上位6頭)に、過去10年で8勝の4歳馬の姿はなく、このままゲートインがなければ史上初めてのこと。逆に3歳馬は7頭。なかでも昨年10月の“伝説の新馬戦”を戦った1~4着馬がスタンバイ。1年2カ月の時を経て、最高のステージで頂点を競う。

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 若き女王の復活走で09年を締めくくる。10万を超える支持を集め、ブエナビスタはファン投票で2位に選出された。

 木曜は栗東坂路で4F71秒2を記録。前日には栗東CWで6F82秒4をマークし、翌日は軽めに登坂した。「落ち着いていた」と松田博師。10万票を突破したのはG1・7勝馬の1位ウオッカと2頭だけ。偉大な先輩にわずか515票差にまで迫った。牝馬でワンツーを決めて「人気があるのはいいことだな」と笑顔をのぞかせた。

 2戦目から5連勝。2歳女王、牝馬2冠と一気にヒロインへの階段を駆け上がった。新馬戦3着と敗戦からスタートした競走生活だが、上がり3F33秒5は勝ったアンライバルド(皐月賞馬)、2着リーチザクラウンを上回る、最速タイムと非凡な素質を示した。「ゲートも遅かったからな。(他馬と比べて)新馬向きではなかった」と冷静にとらえている。

 1年が過ぎ、3つの勲章を胸に運命のライバルと対戦する。当時の4着馬で菊花賞を制したスリーロールスも加わる豪華布陣に「すごいわな」と驚く。もちろん、今度は負けられない。「使うたびに大きくなっている。白ゼッケン(3歳秋以降の古馬が着用する調教ゼッケン)になって余計に大きく見えるな。トモに張りが出てきた」と成長した姿に目を細めた。

 札幌記念で2着に敗れて、海外挑戦を断念。国内に専念し、牝馬3冠のかかった秋華賞では2位入線も3着降着。エリザベス女王杯では先行馬を捕らえられず、3着に敗れた。女王復活の起爆剤として託されたのはダービー制覇など、大活躍の横山典だ。「声がかかったことは素直にうれしかった。これだけの馬ですからね。順調に本番を迎えてほしい。こちらはレースでしっかりと仕事をやりたい」と名手も初タッグを待ちわびる。3歳牝馬の勝利は、これまで60年のスターロツチ1頭だけ。ファンの夢を乗せて-。暮れの中山に素晴らしい景色が広がる。

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