工場火災:横浜で化学工場が爆発

7日午後5時50分ごろ、横浜市金沢区福浦1の化学メーカー「日本カーリット」横浜工場で爆発が起きたと110番があった。神奈川県警金沢署と市安全管理局によると、工場内の建物8棟(面積約2229平方メートル)が全壊するか全焼し、同8時15分に鎮火。工場の34~55歳の従業員6人のほか、別の工場の男性従業員(39)、近くを車で走行中に割れたフロントガラスで右手を切った男性会社員(34)の計8人が軽傷を負った。同工場は08年4月にも従業員2人が死傷する爆発事故が起きており、県警は業務上過失傷害容疑で捜査を開始した。8日に現場を実況見分する。

 県警によると、爆発当時、工場内には従業員15人がおり、けがをした従業員のうち5人は事務棟にいた。1棟で2回の爆発があったとみられる。工場では工業化学薬品を製造しており、同社によると、薬品を合成する「有機製造所」と呼ばれる工場棟が爆発したとみられる。当時、この棟は無人だった。

 約200メートル離れた自動車部品製造工場では窓ガラスが割れたり、敷地内に金属製の階段の一部や鉄パイプなどが落下。男性社員(41)は爆発当時の様子を「火柱が打ち上げ花火みたいに200メートルぐらい上がり、建物のガラスがバリバリと鳴っていた。上空に何かが飛んでいるのが見えたので、外に出た従業員に建物内に入るよう声をかけた」と話した。

 日本カーリットによると、横浜工場は敷地約9900平方メートルで、従業員25人。08年の爆発事故で、当時の工場長ら3人が先月、業務上過失致死傷などの容疑で県警に書類送検されていた。送検を受け、同社の担当者は「爆発を招くような危険物を扱う業務をやめた」と説明していた。

 現場は横浜港に面した工業団地の一角。【池田知広、吉住遊、中島和哉】

 2010年1月7日

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