大空間「生かせ」工場跡地でロケやイベント

◇川口 倉庫・庭園レンタル

 川口市南部の機械・鋳物工場が、テレビ・映画のロケや芸術文化の催しに利用される会場に生まれ変わった。多目的レンタルスペースとして、広大な敷地と倉庫、庭園などが活用されている。同市では工場跡地の多くが高層マンションに様変わりしているが、新たな発想による広さを生かした利用例といえそうだ。

 同市領家5丁目の「大泉工場」(大泉裕美子社長)。80年間続いた電動装置の一貫製造から撤退後、昨年秋に敷地や建物を生かした新事業を始めた。周囲に複数の貸倉庫を持つことから、会社名はそのまま大泉工場とした。

 敷地面積は約3300平方メートルで、使途自在という工場の屋内空間は約1300平方メートル。天井高は8・5メートルで、大きな造形物を持ち込める。階段を設置しており、全体を見下ろすこともできる。

 屋外の300平方メートルを超える庭園でも撮影できる。昭和初期からの洋館や、同時期の瓦を用いた花壇、藤棚などがあり、「創造の幅が広がるフリースペース」(大泉寛太郎専務)になっている。

 映画やスチール写真の撮影、アート作品の制作・展示、アニメ登場人物のキャラクターに扮したコスプレ・イベントなどが催され、いずれも好評だったという。今年もすでに、TVドラマ撮影の数件の依頼が入っている。

 「工場跡地が即、高層建築物とならず、一方の需要を見据えた使途があっていい」と大泉専務。「都心から30分の地の利を生かし、だだっ広い空間に文化的な発信機能を持たせたい」と意欲的だ。

 連絡は大泉工場(048・222・1171)へ。

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