広島・呉「両城の二百階段」周辺の空き家改装、宿泊施設に

両城の二百階段」の名で知られる広島県呉市両城の石段周辺の空き家を改装し、宿泊施設として活用する計画が進められている。映画「海猿」のロケ地ともなった観光スポットで、呉市のまちづくりNPO法人・くれ街復活ビジョンが、「呉に観光客を呼び込みたい」と企画、すでに民家の改修をしており、7月中のオープンを目指すという。

 「二百階段」は、急傾斜地の住宅地に設けられた二百数十段の階段で、上部からは呉港や呉の市街地を眺望できる。海上保安庁の潜水士候補生の活躍を描いた「海猿」で、主人公らが石段で訓練する場面が描かれて以来、観光客が訪れるようになった。

 しかし、高齢の住民が階段の不便さを嫌ってほかに移り住むなどして空き家が目立つようになり、呉信用金庫(本店・呉市)などが同NPOを設立し、活用案を検討、宿泊施設として運営していくことにした。

 今回は、階段からさらに坂道を上がった高台にある2階建ての民家を借り受け、1階部分を宿泊施設として提供する。利用者は、同NPOの準会員(年会費2000円)になったうえで、1人1泊4000円(休日前5000円)で宿泊できる。1人が準会員になっていればグループで利用でき、料金体系も2人で6000円(同7000円)など、人数が増えれば、1人当たりの料金が安くなる設定にした。

 将来的に5軒の空き家を宿泊施設にする計画で、同NPO理事の堂下大地・呉信金理事は「宿泊施設を通して呉を訪れた観光客の回遊性を高め、地域に貢献できれば」としている。問い合わせは呉信金内の同NPO事務局(0823・25・6826)へ。

(2010年6月22日 読売新聞)

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