久保田 決勝点許す…打線も覇気なく

試合に勝つための要素は積み上げていったはずだった。だが、前日、5本塁打を放ち、11点を奪った強力打線が、わずか1点。阪神がまた接戦を落とした。

 先発下柳は7回4安打1失点。粘投も報われず、ロッカールームへ続く階段で悔しさを押し殺した。「何もありません。お疲れさま……」

 下柳の好投だけではない。三回、左中間への打球を中堅浅井が好捕。五回は鳥谷が遊撃右への強いゴロをさばいた。さらに七回には一塁線を破ろうかという当たりをブラゼルが横っ跳び。再三の好守も勝ちにつなげられず、和田打撃コーチは「今日は、いい時のチェンだった」と分析した。

 確かにチェンは最速150キロを超え、変化球にも切れがあった。だが、今季は打線が看板のはず。この日も崩れた中継ぎ陣に救世主でも現れない限り、どんな好投手も打ち崩していかなければ、首位の背中は遠のいていく。

(佐藤毅)
 阪神・真弓監督「下柳はよく投げていたし、バックもよく守ったんだけど、チェンが今日は良かった。久保田は悪くないが、甘いところへ投げてしまったね」

落下:JR新潟駅の西側連絡通路で階段の天井 石こうボード劣化か /新潟

23日午前6時ごろ、新潟市中央区のJR新潟駅の西側連絡通路の階段で、「天井が落下している」と通行人からJR東日本新潟支社に通報があった。管理する市が調べたところ、天井の石こうボードなどが長さ約10メートル、幅約3メートル~約1・4メートルのL字形にはがれ落ちていた。けが人はいなかった。

 同市中央区役所建設課によると、同通路は1989年に建設された。水気に弱い石こうボードが、湿気の多い梅雨入り後に劣化してはがれた可能性が高いという。

 同課は、同通路の天井のボードをすべてはがして落下原因などを検証するとしており、「これまでは目視でしか点検をしていなかったが、今後はマニュアルを作るなどして、しっかりと対策を取りたい」と話した。

 現場は新潟駅南口の駐輪場に通じる階段。同通路では2006年にも天井が落下する事故があった。【塚本恒】

選挙:参院選 候補者の横顔 /岩手

参院選岩手選挙区(改選数1)では、4候補が、暑さの中県内各地で熱弁を振るい、有権者に支持を求めている。各候補の横顔を紹介する。(届け出順)

 ◇野球でタフさや忍耐を習得--高橋雪文氏(40)自新
 盛岡市議、県議だったこの12年、ほぼ休んでいない。「じっとしていると申し訳ない」と仕事の虫を自認する。タフさや忍耐は捕手として小学から続ける野球で得た。生後7カ月で心臓病、3歳で川崎病にかかった体の弱さも克服した。

 政治を志した原点は、中国や欧米など10カ国以上を旅した学生時代にある。ある途上国で、しきりに日本のことを聞かれた。先進国入りした国から学び、家族に少しでも楽な生活をさせたいからだという。自分の学友は給料や福利厚生を基準に就職先を選んでいた。「これでは日本がおかしくなる」。97年に都議選に挑み、99年に故郷で市議になった。

 信条は保守。出馬の決意も「保守から大きく逸脱し、理念なき政治がまかり通ってきた」と思うからだ。座右の銘は「義を見てせざるは勇無きなり」。

 妻と1女2男。雪研究家の祖父喜平氏の影響で父子の名に「雪」がつく。直木賞作家の高橋克彦氏は親類。【狩野智彦】

 ◇赤いネクタイに再選願う--主浜了氏(60)民現(1)
 名刺入れの中に「宝物」を忍ばせている。昨年9月16日、鳩山由紀夫前首相を指名した参議院の投票用紙。3枚配られたうち、予備の1枚だ。政権交代の瞬間に居合わせた記念として、持ち歩いている。「一生忘れられない」と振り返る。

 1973年、県庁に入庁。広報広聴や農林水産など、さまざまな行政分野で経験を積んだ。「県職員は専門分野に分かれていたが、今はすべての問題に責任を負い、国政に反映しなければ」と顔を引き締める。

 趣味は大学時代に始めたサイクリング。トレーニングを兼ねた滝沢村の自宅から網張温泉までの往復は、そう快で好きなコースだ。

 選挙戦は、白いワイシャツに赤いネクタイ姿で臨む。6年前に出馬する際、当時、民主党県連代表だった達増拓也知事から「パワーカラーですよ」と勧められて以来、守ってきた。「気持ちも鼓舞され、結果(政権交代)も出た」。赤いネクタイに再選の願いを込める。【山口圭一】

 ◇平和の気持ち、人一倍強く--伊沢昌弘氏(63)社新
 普天間飛行場の移設問題に伴う社民党の連立離脱で急きょ出馬を決めた。平和を思う気持ちは人一倍強い。

 75歳で亡くなった父親は晩年、認知症を患っていた。「敵機襲来」と叫び、自宅の近くを流れるドブ川に飛び込み、身を潜めた。太平洋戦争で徴兵され、南方に送られた。「人を殺すのも、殺されるのも嫌だ」。幼いころ、父親から聞かされた言葉をかみしめた。

 岩手大工学部で化学を学んだ後、会社員を経て、県職員に。化学の専門家として公害行政に取り組んだ。県職員労働組合の役員から政治家に転身。市議、県議と活動する中、社会保障や環境問題で壁にぶつかった。「国政の場で言わないと、どうにもならない」。今回で、国政には3度目の挑戦となる。

 毎朝、朝食と昼食の弁当を作る「弁当男子」。自らサバを締めることも。トランペットが中学時代からの趣味だ。十八番は「夜空のトランペット」。休日、自宅の階段で響かせる。【山口圭一】

 ◇リラックスの方法は読書--瀬川貞清氏(60)共新
 ぼくとつながら、熱い口調で説く。「国民の要望に基づかない政治は早晩つぶれる」。米軍基地や政治とカネの問題を抱える民主政権を批判する。

 岩手大在学中に社会変革運動にかかわったことがきっかけで政治家を志した。県内各地を歩き回り、大企業や大型スーパーの進出によって商店街や地域が壊れていく現状を目にし、心を痛める。「もうからなければすぐに撤退してしまう大企業のやり方は許されない」と、1次産業中心の岩手に根ざした経済政策の必要性を訴える。

 論理的に考えることが得意といい、「石橋をたたいても渡らない」とからかわれることもあるほどの慎重派。だが、「国民のために必要な決断は迅速にしたい」と話す。

 最近一番やりたいことは修験道の研究。先祖に修験者がいるが、住民から相談を受け医術や祈とうをする役割が自分自身に通ずるという。「本を読むのがリラックス法」と言う大の読書好きでもある。【山中章子】

F1ヨーロッパGP 日曜日

暑い、いや熱い一日だった…このブログを書いている今、ようやく正式リザルトが出た、結果から言えば期待した可夢偉のポディウムは持ち越しとなった。最終的に9台のマシンに5秒加算のペナルティーが出たが、可夢偉の順位は残念ながら暫定の結果どおり。

 ともかく今日の可夢偉は良く堪えた、また巡ってきたチャンスを上手く生かした。最後にはルールによりピットストップをするしか方法は無かったが、それでもタイミング次第では今よりも上位でゴールはできたかもしれない。

 だが良いではないか、表彰台に上がれない3位なんて!バトンは可夢偉がピットインしてない事を知っていて、無理をしなかったのだと思うが、ともかくベッテルを除く上位のマシンと同じようなペースで走れたことは確実な進歩だ。このバレンシアのサーキットレイアウトが極端にオーバーテイクしずらいのも事実だが、予選のポジション次第では充分に上位と戦えるという証明でもあった。

 そしてマシンにトラブルがなければやはり最速男は健在、スピードキングの復活だ。今日はスタートから一人旅、セフティーカーが入りタイム差が無くなっても、慌てず騒がずリスタートからスパートを見せ、余裕の完勝にみえた。チームメイトのウェバーの派手なクラッシュシーンにはドキッとしたが、さすがは鉄人、レース後のチームの記念写真には何も無かったかのように、いつも通り平然と表れた…後で聞くとまだ体は多少痛むそうだが、そりゃそうでしょ!(笑)あれだけのクラッシュで無事なのが不思議なほどだから。

 そして今日も堅実にポイントを重ねたマクラーレン。ハミルトンはピットスルーペナルティー、バトンは5秒加算のタイムペナルティーと本来なら大幅に順位を落としかねないが、9台ものペナルティーに救われる辺りは運もあるように見える。

 ベテラン、バリチェロも久々の4位入賞、クビサ、スーティルと実力者が上位にいるのもさすがだ。アロンソは8位、マッサは11位と期待していたフェラーリは思いのほか伸びず、ロズベルグがかろうじて10位に入ったが、マイケルは15位に。またマスコミが騒ぎそうだが、レース中のファーステストラップを出したバトンと、マイケルだけが1分38秒台を記録しているので、個人的にはもう少し見守っていたいと思うのだが。

 快適な天候に恵まれたバレンシアのレースだったが、改善すべき点は多々あった。コースサイドのアメリカズカップの艇庫の階段に上がり、撮影をしていたカメラマンが警察にあわや逮捕寸前でパスを没収された。もちろんプライベートな建物だから、日本的に言えば住居不法侵入が成立する。だがバレンシアの特徴的な写真と言えば海を絡めるのは当然だ。

 フォトグラファーが思うように写真を撮れないのでは来る意味が無くなる、事前に所有者とFIAが話し合いをできないものか?FIAが動かないのであれば、来年はその辺りの改善を自らオーガナイザーに進言しようと思っている。こんなロケーションのサーキットはそうないのだから何とかしたいものだ。

 さあ、次はイギリス。イギリスの夏は2週間と言われている…ウィンブルドンの中継は妙に好天が続いていたように思えた。既に夏は過ぎ去ったのだろうか?それだけは勘弁してほしいのだが…

本田、勝利導く「無回転」=鮮やかFK、アシストも〔W杯ハイライト〕

前半17分だった。日本にFKのチャンス。本田が軽く左足をボールに当てるようにけると、無回転のボールがゴール左に飛んだ。デンマークのGKソーレンセンも両手を投げ出して横っ飛びしたが、ボールは緩い弾道のまま左ポスト際に吸い込まれた。決勝トーナメント進出を懸けたデンマークとの直接対決の、先制点を決めた。
 第1戦のカメルーン戦での決勝ゴールに続き、今度は今大会では決まりにくいとされてきた直接FKを鮮やかに決めた。加えて、守備にも奔走。すべての力を、いかんなく発揮した。
 今大会は、経験のなかった1トップを任された。守備的布陣の中で、迫力を欠く攻撃。岡田監督の「欧州の選手と対等にできる体力を生かし、ゴールに絡むプレーを」という期待を背負った。
 それに見事に応えたのは、駄目押しの3点目の場面。大久保の縦パスに抜け出し、ゴール前の岡崎に折り返してアシストした。「あれを決めようと思わないところが精神的に未熟なところ。ストライカーにはなれないでしょう」と笑いつつも、「FWらしくなってきた気がする。前に誰もいない景色に慣れてきた」。手応えを深めた。
 強気な発言で知られる男も、初のW杯では試合が迫ると口数が減り、報道陣の前を無言で素通りする姿も目立った。「弱い自分がどんどん大きくなる」という。そんな不安を振り払うため、「僕は、自分の精神面をコントロールしている」と本田。自分との戦いにも打ち勝った。
 今季はオランダ・リーグからロシアのCSKAモスクワへ。欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)でゴールを決めた。日本を決勝トーナメントに導き、自らもまた一歩、世界の一流選手への階段を上った。(ルステンブルク時事)

広島・呉「両城の二百階段」周辺の空き家改装、宿泊施設に

両城の二百階段」の名で知られる広島県呉市両城の石段周辺の空き家を改装し、宿泊施設として活用する計画が進められている。映画「海猿」のロケ地ともなった観光スポットで、呉市のまちづくりNPO法人・くれ街復活ビジョンが、「呉に観光客を呼び込みたい」と企画、すでに民家の改修をしており、7月中のオープンを目指すという。

 「二百階段」は、急傾斜地の住宅地に設けられた二百数十段の階段で、上部からは呉港や呉の市街地を眺望できる。海上保安庁の潜水士候補生の活躍を描いた「海猿」で、主人公らが石段で訓練する場面が描かれて以来、観光客が訪れるようになった。

 しかし、高齢の住民が階段の不便さを嫌ってほかに移り住むなどして空き家が目立つようになり、呉信用金庫(本店・呉市)などが同NPOを設立し、活用案を検討、宿泊施設として運営していくことにした。

 今回は、階段からさらに坂道を上がった高台にある2階建ての民家を借り受け、1階部分を宿泊施設として提供する。利用者は、同NPOの準会員(年会費2000円)になったうえで、1人1泊4000円(休日前5000円)で宿泊できる。1人が準会員になっていればグループで利用でき、料金体系も2人で6000円(同7000円)など、人数が増えれば、1人当たりの料金が安くなる設定にした。

 将来的に5軒の空き家を宿泊施設にする計画で、同NPO理事の堂下大地・呉信金理事は「宿泊施設を通して呉を訪れた観光客の回遊性を高め、地域に貢献できれば」としている。問い合わせは呉信金内の同NPO事務局(0823・25・6826)へ。

(2010年6月22日 読売新聞)

【W杯】欧州クライシス 強豪国軒並み「危機」「恥辱にまみれている」

大会10日目が終わり、欧州強豪国の不振が目立つ。主要メディアに踊る「欧州の危機」の見出し。一方で、南米チームは順調に勝ち点をあげ、くっきりと明暗がわかれている。アフリカ大陸初のW杯決勝トーナメントは南米を軸に繰り広げられそうだ。

 前回覇者のイタリアは2引き分け。過去3度の優勝を果たしているドイツは1勝1敗、そして、得点王候補のルーニー率いるイングランドも2引き分け。欧州サッカー大国は格下とされていたチームに勝ちを取りこぼし、どの国も一次リーグ敗退のがけっぷちに追い込まれている。

 華麗な“シャンパンサッカー”で1998年優勝、前回準優勝を果たしたフランスはチームの内紛で、すでに一次リーグ敗退が濃厚。首脳陣に反旗を翻したFWの柱、アネルカの強制帰国は、サッカーという枠組みからはずれ、同国で大問題となっている。

 優勝候補にあげられたスペイン(1敗)、ポルトガル(1引き分け)も苦戦しており、順調に優勝への階段を上がっているのはFIFAランク4位で、日本と同組のオランダだけだ。

 英有力紙テレグラフは、イングランドの戦いぶりを「最悪」としながら、この傾向は欧州の伝統強豪国にも伝播し「恥辱にまみれている」と指摘。主要通貨ユーロの危機にひっかけて、「Europe in crisis(欧州の危機)」の見出しを掲げて、「ピッチ上での活気は経済の活気と複雑に結びついている」と論じているほどだ。
 一方、南米勢5チームのこれまでの成績は7勝2引き分けで黒星は一つもなし。W杯優勝経験国のブラジル、アルゼンチンはともに2勝で絶好調で、大会の中心となっている。古豪ウルグアイも1勝1引き分けでチームに勢いがある。成績だけでなく、南米チームは攻守にすきがなく、質の高いサッカーを展開している。

 過去、南半球では南米で4度W杯が開催され、いずれも南米勢が優勝している。いまのところ、このジンクスは引き継がれそうな状況にある。

 21日のH組スペイン-ホンデュラス戦。試合結果によっては、決勝トーナメント1回戦でブラジルvsスペインの組み合わせが実現し、優勝国を決めるうえで重要な一戦になりそうだ。

阪神間モダン、後世に

◆大正時代の洋館、市に遺贈 元所有者の父が設計/宝塚
 宝塚市雲雀丘1丁目にある大正時代の洋館が、所有者だった故人の遺志に基づき市に遺贈された。市の都市景観形成建築物に指定されており、閑静な住宅地として知られる雲雀丘地区の代表的な洋風建築。市は今後、活用方法を検討していくという。
 寄贈されたのは、土地約1520平方メートル(約460坪)と、木造3階建ての本宅、木造2階建ての別宅の計2棟。今年3月に亡くなった元所有者、故安田敏子さんの父が独学で設計したという。和大工が建築にあたったとされ、洋風の外観のなかにあって、内部には仏間や和室もある。
 本宅は1921(大正10)年に完成。市内に19棟ある都市景観形成建築物の一つで、淡いピンクの外壁によろい戸や張り出し窓、三連の円頂窓が取り付けられたモダンな造りになっている。

◆消えたお屋敷、雰囲気知って/芦屋署旧庁舎で写真展
 明治から昭和初期にかけて芦屋市内に建てられた和洋館の写真が、芦屋署(芦屋市公光町)東側に残る旧庁舎階段ホールで展示されている。
 撮影したのは、1級建築士で「芦屋洋館建築研究会」の福嶋忠嗣(ただ・つぐ)代表(65)=芦屋市精道町。阪神大震災前年の1994年、景観条例の制定をめざしていた芦屋市から依頼され、市内の約300の近代建築を調査。自転車で見て回り、家主に建物の歴史を聴いた。展示されるのは、その際に撮影した写真だ。
 震災で倒壊したり家主の事情で取り壊されたりして今は見ることができない26邸の写真を、来年の6月30日まで毎月2邸ずつ紹介する。A3サイズで、1邸につき4枚。紹介文も添えられている。
 「震災後は街並みも変わり、調査した300カ所のうち残っているお屋敷は少ない。最近引っ越してきた人たちにも、かつての芦屋の雰囲気を知ってもらいたい」と話している。(山崎聡)

三重大、温室効果ガス削減構想

学内外で省エネ取り組み
 三重大(津市)の内田淳正学長は15日、同大医学部講義棟で、教職員や学生を対象にした説明会を開き、温室効果ガスを削減する「カーボンフリー大学構想」に取り組むことを宣言した。

 2020年度には、1990年度に比べて二酸化炭素(CO2)を30%削減する計画で、設備の改善を図るとともに、学内外で節電するなど積極的な省エネ活動に取り組む。

 同大は、最新の省エネ設備を導入するなどしてCO2を19・3%削減する。また、環境経営コンサルティング「環境経営戦略総研」(東京都)のアドバイスを受けながら、教職員や学生の環境面への意識改革を図り、冷暖房の温度設定の徹底や電気の消し忘れ防止、階段の使用などの啓発を図る。

 また、29日には教職員を対象にした自動車のエコドライブ講習会を初めて開く。さらに、来年度導入する学内で排出するCO2と、学生らの家庭などでのCO2削減量を相殺する「カーボン・オフセット」の取り組みに向け、今年度はシステムを構築させる。

 説明会には教職員や学生計210人が出席した。内田学長は「学生らの意識改革も図りながら、エネルギーを効率的に利用するキャンパスエネルギーマネジメントを作り上げ、『三重大モデル』を全国に発信したい」と話した。

(2010年6月16日 読売新聞)

リア充!?@キャンパス/立教スポーツ

◆狭い学内 混雑も楽し

 わがキャンパスは、池袋駅から西へ歩いて5分。歩道がれんが舗装された「立教通り」の両側に広がる。正門前の横断歩道は休み時間になると、さながら渋谷のスクランブル交差点のような混雑になる。

 都心の駅から近く便利な分、キャンパスは6ヘクタールほどと狭い。狭い方が授業間の移動が楽だと思われるかもしれないが、休み時間は大渋滞。人波をかき分けて次の教室に向かうのが一苦労なのだ。

 池袋キャンパスの学生数は約1万5千人。この10年で3千人増えた。教室の増改築はいまも続き、今秋にはテニスコートもつぶされて教室棟に変わる。

 年々手狭になるキャンパスに、学生からは「移動に時間がかかり、(休み時間の)10分ではトイレにもいけない」との悲鳴が殺到。教授からも「遅刻を焦って階段を駆け下りたり、信号無視をしたりする学生がいて危ない」との声が上がった。

 大学側もついに動き、創立以来ずっと10分だった休み時間を今年度から15分に延長。さらに、ボトルネックになっていた狭い正門の幅を広げ、生徒が道路に広がらないよう、正門前の歩道も拡幅した。教務部の菅谷寧(やすし)課長は「部活動の開始時間が遅れるなどの支障が出るかもしれなかったが、学生の安全を一番に考慮した」と話す。

 この結果、立教通りの「渋滞」はかなり緩和され、学生や教授からの苦情もなくなったという。ただ、大学構内の混雑は一向に落ち着く気配がない。

 もっとも、「狭いからよく友達とすれ違う。毎日あいさつ出来るし、学生生活的には楽しい!」と、居心地のよさを感じている学生もいる。ツタをまとい、歴史の重みが漂うキャンパスでは、人込みの中で語り合う学生たちの笑顔が今日も絶えない。(立教大2年・遠藤昂弥)